SEO戦国時代を生き抜くサバイバル術

公開日:2012/05/10

最終更新日:2024/02/17

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Googleの取締まり強化と度重なる大型アルゴリズム更新で激変中のSEO業界ですが、今回はサーチエンジンランドがそんな荒波を乗り切っていくための考え方と手法を分かりやすくまとめてくれた記事を紹介します。SEOの超エキスパートでなくとも、このレベルの知識はサーチマーケティングに少しでも関わる人であれば知っておきたいですね。 — SEO Japan

過去数ヶ月間、私は分析に集中し、グーグルのごくわずかなペナルティも見逃さないよう、常にクライアントの自然な検索のデータを観察してきた。気づいていない人もいるかもしれないが、グーグルは検索製品のアップデートを頻繁に行っているのだ(11月12月1月2月3月)。

文書化して公開した変更に加え、SEO限定のアップデートがグーグルによって行われている。「ページレイアウトアルゴリズム(日本語)」、そして、パンダアップデートが行われ、さらには、グーグルのシステム内のバグが原因でサイトが誤って追放されている。

そして、現在、ペンギンアップデート(日本語)が行われている。パンダ、ペンギン、そして、バグ – これでは手に負えない!動物園にいるようだ。そう、まさにSEO業界は現在動物園のような状況と化しているのだ。

さらに、マット・カッツ氏が過剰SEO(日本語)に対するペナルティを発表している。そして、その数週間後、「ネガティブSEO」- ウェブサイトへの大量の“劣悪”なリンクを生成して他人の自然な検索のランキングを妨害工作するプロセス – に関する話題が次々に顔を出し始めた

悲しい限りだが、うまくいく可能性があることが証明されている(既に怪しいリンクプロフィールが存在するサイト等、特定の状況下のみでしかうまくいかないと推測する人達もいる)。よく考えてみよう。SEOがSEOをターゲットにしているのだ。どうにかなってしまいそうだ。

古き良き時代が懐かしい。グーグルが1点の大きな変更を時折実施していた時代だ。当時は、複数の大きな変更が一度に行われることはなく、また、SEOに極めて大きな影響を与えるアルゴリズムのアップデートが同時期に行われるなど考えられなかった。大きなアルゴリズムのアップデートは滅多に行われなかったため、ランキングやその他のメトリクスを特定するのも、計測するのも遥かに容易であった。

優れたSEOは、どの要素が変わったのか、どの要素が重要視/軽視されるようになったのかを解明し、そして、分析結果を基にサイトを調節することが出来た。現在はそう簡単に事は運ばない。最近は、埃が舞い上がる中で銃撃戦を行うようなものだ。

SEO業界は何でもアリ?

Do you see that? Is Matt Cutts launching another algo update?

マット・カッツ氏はさらにアルゴリズムのアップデートを導入しようとしているのか?

先程も申し上げた通り、現在のSEO業界は動物園のように、制御された混乱の中で毎日冒険しているようである。そして、「ネガティブSEO」が加わり、SEOが基本的にお互いを憎み合う図式になってしまった。そのため、動物園ではなく、ジュラシックパークに近いのかもしれない。

グーグルのパンダアップデートおよびペンギンアップデートによって多くのサイトが影響を受けており、私は次は私のサイトが狙われるのではないかと気が抜けない状況が続いている。

一時、トラフィックに少し乱れが見られる度に、何かの足音を聞きながらコップの水面にさざ波が立つのを見ているような気分であった。その後、ジープにジェフ・ゴールドブラムと乗り込み、ティラノサウルスから逃げ切ろうとしている気持ちになった。私はホワイトハットだ、私は悪いことはしていない!と叫びたくなった。

私は新鮮で質の高いコンテンツを構築している。私は多大な時間をマーケットのトレンドのリサーチ、そして、サイトのビジターに価値を提供する取り組みに費やしている。非公開のブログネットワーク上で大量のリンク*買っているわけではない*。リンクの購入よりも、私は同じ分野の関連するウェブサイトのウェブマスターに連絡を取り、広告、そして、自分のサイトにとって意味のあるコンテクチュアルなリンクを構築するために時間を費やしている。

ソーシャルメディアの取り組みも活発に行っている。ユーザビリティ、インフォーメションアーキテクチャ、そして、ランディングページの改善に投資を行ってきた。しかし、グーグルはブラックハットSEOを狙っているものの、プロセスを介してホワイトハットも同様に影響を受けているため、私の取り組みは意味がなくなってしまっている。

また、パンダとペンギンに関連して誤検出もかなり行われているのではないかとつい考えてしまう。事実、誤検出は多いようだ。なぜなら、グーグルはサイトが不当にターゲットにされた点を指摘するためのフォームを用意している。

グーグルは、スパマーとブラックハットをターゲットにしているのかもしれないが、うかつにもウェブサイトの価値、コンテンツ、そして、総合的なマーケティングキャンペーンを大切にしている人達を追いまわしている。グーグルはペースを落とそうとはしていない。

ジュラシックパークには、ティラノサウルスはジープを追うものの、途中で諦める有名なシーンがある。グーグルがいつか諦めることを私は祈るばかりだ。少なくとも、一息つく間を与えてもらいたい。

Don't move! He can't see us if we don't move.

動くな!動かなければ私達の場所は分からない。

パンダ、ペンギン、そして、毎週のように展開されるその他のアップデートと付き合っていかなければならない。動かなければ安全かもしれないと思うことがある。私が何もしなければ、グーグルのレーダーに映らないのかもしれない。しかし、それは出来ない。それは私の生き方ではない。しかし、自分の行為、そして、推薦する取り組みに関して、賢い判断を下していく必要がある。

それでは、どうすればいいのだろうか?以下に、前に進み、SEO動物園で自分の居場所を確保するためのアドバイスを提供する。

リンク構築

大きなブランドのSEOとリンク構築を管理しているなら、全ての有料リンク構築キャンペーンから手を引くべきである。このアドバイスは批判を受けるかもしれないが、現時点では大きなブランドに対しては、有料リンク構築は薦められない。リスクが大き過ぎるためだ。

聡明で経験豊かなリンク構築のエキスパートを採用し、最近のアップデートのペナルティを受けていないなら、恐らく問題ないだろう。

しかし、リスクを犯す対象を考慮すれば、やはり危険だと言わざるを得ない。それでも、掃いて捨てるほどお金があり、何かしらの有料リンク構築を維持する必要があるなら、以下のアドバイスを参考にしてもらいたい:

  • 完全に一致するアンカーリンクの構築をやめる。

誰に聞いても、最も避けるべき行為として挙げられるはずだ。全てのリンクが、[blue widget]で上位にランクインしたいがために[blue widget]と言うアンカーテキストを利用しているなら、グーグルからペナルティを科されるだろう。全てのリンクで完全にマッチするアンカーテキストが採用されているのは不自然過ぎるのだ。アンカーテキストを多様化し、自分のブランドに言及するリンクに焦点を絞り、ノンブランドのキーワードを多用しないように心掛けてもらいたい。

続きを読むここ、またはwww.yourdomain.comと言うアンカーテキストを使うことに二の足を踏まないでほしい。これらのタイプのリンクを用いることで、リンクグラフがより自然に見えるようになる。

  • 不規則にリンク構築を行う。

例えば、$2,000/月の予算を持っているなら、毎週もしくは毎月同じ量のリンクを構築しているのではないだろうか。グーグルはリンクの増加に注目しており、リンクの本数が毎月同じ本数増えていることに気がつくだろう。

このような傾向は不自然に見える。全てのリンクを単一のネットワークから買っている場合は尚更である。グーグルは賢いため、このタイプのリンクの増加は容易に検知されてしまう。従って、メジャーリーグのピッチャーのような気持ちリンク構築を行う必要がある – 直球を何回か投げた後、チェンジアップを織り交ぜてみる。グーグルがリンクの増加パターンを簡単に検知できる状況は好ましくない。

  • リンクを購入するサイトの質(つまりページランク)を多様化させる。

PR1以上のサイトからのみリンクを購入しているなら、不自然であるためグーグルは簡単に見つけることが出来るはずだ。高いPRのサイトからリンクを獲得したいのは当然だが、このルールを厳守するのはNGだ。

有料リンクの配置を慎重に決める必要がある。有料リンクのポートフォーリオを多様化し、大きなサイト、小さなサイト、人気のあるサイト、人気のないサイト、PRのないサイト、PRの高いサイトのように様々なサイトからリンクを獲得するべきである。また、nofollowのリンクも恐れずに買うべきである。ツイッターやフェイスブック等のソーシャルメディアサイトからの潜在的なリンクを無視するのも得策ではない。しかし、リンクの選択の基準を厳しくする際はリンクを精査する時間を増やしていくことを薦める。

  • サイト/ブログのリンクを買うのではなく、サイト/ブログ自体を買う。

ブログ自体を買う取り組みは、長期的に見ると投資対効果が遥かに高い。リンクだけを買うよりも、遥かに多くの価値を得ることも可能であり、有料リンクの購入に対するペナルティを受けるリスクを避けることが出来るメリットもある。

  • 既に手に入れている無料のリンクを探し出す。

404レポート、ログファイル、そして、内部のリンク切れを頻繁にチェックしよう。ウェブマスターツールズを確認して、機能していないURLへ向かう内部/インバウドのリンクを探そう。また、複数のリダイレクトを経由するURLもチェックしてもらいたい。全てのリンクが、302リダイレクトやリダイレクトの連続を経由することなく、アクティブなページに向かっている点を確認する必要がある。

新しいSEOキャンペーンを始める際、信じれないほど多くのリンク切れがウェブマスターツールズのアカウントで見つかる。千本を突破することもある。これらのリンクは無料で獲得したリンクである。アクティブなURLに301リダイレクトさせておこう。

コンテンツの作成

有料リンクは、現時点において余りにもリスクが大きいので、有料リンクの予算の大半をコンテンツ作成に移すことを私は薦める。それでは、コンテンツ作成に関して、資金を投じて、固有のコンテンツおよび価値をサイトに加える方法を幾つか紹介していく:

  • How Toガイドを作成する
  • インフォグラフィックを作成する
  • 廃れた企業ブログを一新して、毎日新しいコンテンツを配信する
  • マイクロサイトを作成する
  • 新しいランディングページを作成する
  • 最も人気の高い製品カテゴリーの購入ガイドを作成する
  • 毎週プレスリリースを作成する
  • 製品の動画レビューを作成する

優れたコンテンツはリンクを呼び込む。しかし、優れたコンテンツはサイトのビジターに価値を与える。後者はさらに重要である。新しいコンテンツを売り込む取り組みを忘れてはならない。ビジターと顧客にコンテンツと製品の共有を呼び掛けよう。

最終的に、有料リンクキャンペーンよりも、コンテンツ作成を介して、投じた資金からより多くの効果を得られ、驚くことになるのではないだろうか。また、コンテンツを介して得た教訓は貴重である。ウェブサイトのビジターが求めていること、楽しんでいること、嫌いなこと、好むこと等を会社全体に伝える上でもとても役に立つ。この情報を使って、サイト全体を改善することが出来るのだ。

フェイスブック、ツイッター、そして、グーグル+で積極的に活動する重要性をこのエントリに含めることも出来るが、この点はソーシャルメディアのエキスパートに任せる。

また、SERPの17%が作者の情報を表示していることが先日行われた調査で判明しており、エージェントランク、そして、ライターおよび寄稿者に対してrel=authorおよびrel=meタグを設定する重要性を説明するべきなのかもしれない。しかし、この投稿は既に十分に長いため、次回の投稿で取り上げようと思う。

"That's right, Sam Neill. I would make an awesome SEO." - Jeff Goldblum

「その調子だ、サム・ニール。SEOを成功させるよ。」 – ジェフ・ゴールドブラム

諦めないでもらいたい。賢い判断を下そう。そして、注意を怠らないでもらいたい。可能ならば、検索ランキングに影響を与えるような取り組みを実施する前に、騒ぎが鎮静化するまで待機することを薦める。

ジェフ・ゴールドブラムもジュラシックパークの中で語っているように、「生きていれば、生き延びる術は見つかるものだ。

パンダとペンギンに囲まれて生きるSEOとして、私も生き延びる術を見つけていかなければならない。

ジェフ・ゴールドブラムが最終的にはジュラシックパークを生きて脱出したことを思い出してもらいたい。

そのため、手も足も出ず、SEOキャンペーンに関する決定を下す上で助けを必要としているなら、自分自身に問いかけてみよう: こんなとき、ジェフ・ゴールドブラムなら何をするのだろう?と。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Adjusting Your SEO Strategies During Panda & Penguin」を翻訳した内容です。

内容もジュラシック・パークの比喩も分かりやすくて初心者も安心、上級者も再度納得の良い記事でした。手法的には定番のリンク構築とコンテンツマーケティングの話でしたが、それなりに具体的で現在のSEOシーンを象徴している記事にも読めます。リンク構築のセクションでさり気なくというか堂々と有料リンク構築の前提で話している辺りは(サーチエンジンランド掲載の記事にもかかわらず!)、大人の余裕というか現実を見ているというか。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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