Googleが進化したソーシャル&パーソナライズド検索で開く検索新時代

公開日:2012/01/13

最終更新日:2024/02/17

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今週、Googleの検索結果がさらにGoogle+と連携してソーシャル&パーソナライズ化されたことはご存じの方も多いと思います。まだ一部の検索結果だけに反映される措置のようですが、2012年いよいよ本格的な「ソーシャル検索」時代に突入するのでしょうか?そして長年いわれてきた割には使えなかった「パーソナライズド検索」がソーシャルデータを元にようやく有益な検索手法として定着していくのでしょうか?サーチエンジンランドのダニー・サリバンが斬る検索の最前線を。 — SEO Japan

search-your-world-googleグーグルの検索結果がグーグル史上最も過激な変更を実現しつつある。新しい「Search Plus Your World」(サーチ・プラス・ユア・ワールド)のフォーマットの展開が本日を皮きりに始まったのだ。この新しいフォーマットは、プライベートで共有したコンテンツと公開されているウェブとマッチするコンテンツを探し出し、単一のリスティングに全て混合する。

この変更は現在行われているが、数日後に完全にローンチされるまでは一部の人達しか見ることは出来ない。サーチ・プラス・ユア・ワールドはグーグル.comにサインインし、英語で検索を行う人達のみを対象としている。グーグルは検索結果の上に次のようなメッセージを出して通知する:

この新しいシステムには、プライベートで友達や家族と共有したコンテンツ、そして、ウェブ上のマテリアルを、2つの異なるシステムを利用することなく、1回の検索で探すことが出来るメリットがある。

しかし、サーチ・プラス・ユア・ワールドは、プライベートなコンテンツが公開されているかのような形で表示されるため(実際には公開されていない)、プライバシーに関して懸念を持つ人が現れる可能性はある。また、プライベートなコンテンツが当初の意図を超えて友達や家族の目に触れる機会が増えることで心配するユーザーも出てくるかもしれない。

新しいフォーマットおよびその機能は、新たな火種をグーグルに持ち込む可能性が高い。検索エンジンを悪用して、自分のコンテンツに有利な計らいをしたり、競合者を締め出す人達が現れるリスクもある。

それでは、サーチ・プラス・ユア・ワールドの仕組みから、このシステムによって生じる問題の一部を詳しく見ていこう。

以前: パーソナライズド & ソーシャル検索の結果は別々

グーグルは2005年6月からパーソナライズドの結果の提供を始め、個人の行動および興味を基にとりわけ個人のユーザーが興味を持つと見なすことによって、特定の結果のランキングを押し上げる取り組みを行ってきた。このランキングの後押しがない状態では、このような結果は特定の検索で上位にランクインすることは叶わなかった。

パーソナライズドの結果は拡大され、2007年2月から新たな様式で提示されるようになった。その後、2009年12月、パーソナライズドの結果を表示するためにこの機能を選択する必要がなくなった。グーグルにサインインしていなくても、ある程度まではデフォルトで有効にされるようになったためだ。

それとは別に、グーグルは2009年10月よりソーシャル検索の結果の提供も行っている。これらの結果もまたパーソナライズドされているが、個人の行動ではなく、知り合いを基にリスティングが構成される。ソーシャルの検索結果においても、ランキングの押し上げが行われている。

当初、グーグルのソーシャル検索の結果は“通常”のリスティングとは隔離されていたが、2011年2月から通常の検索結果に組み込まれるようになり、知り合いが作成したコンテンツだけでなく、各種のソーシャルネットワークを介して知り合いのユーザーが共有したコンテンツも結果に含まれるようになった。

現在: パーソナル、プライベート、パブリック & ソーシャルが一つになる

サーチ・プラス・ユア・ワールドのローンチによって、デフォルトの状態で、新しい「パーソナル結果」画面が登場している。この画面は、自分自身の行動およびソーシャルネットワークでのつながりに基づいて得たリスティングを以前と同じようにパーソナライズする。さらに、グーグル+のソーシャルネットワークで共有されたコンテンツもまた表示されるようになった。

グーグルのランキングアルゴリズムを統括するアミット・シンガル氏は、この新しい機能について話し合った際、「ソーシャル検索アルゴリズム、パーソナル検索アルゴリズム、そして、パーソナライズド検索アルゴリズムは1つのアルゴリズムになり、好まれるだけでなく、役に立つような形式でグーグルは融合しているところだ」と述べていた。

以下のいずれか、もしくは双方のインディケーターが表示されるため、パーソナライズドの結果が現れると分かる仕組みになっている:

この例で左側に向かう矢印が示すメッセージには、「50ページのパーソナルの結果と41万9000のその他の結果」が見つかったと記載されている。50のうちの幾つかは表示されている結果の1ページ目に組み込まれる。

別の矢印は、グーグルが導入した、SEOに関わる人達が以前から求めてきたアイテムを指している。このトグルを利用すると、パーソナライズドの結果とパーソナライズドされていない結果を切り換えることが出来る。

このトグルについては後ほど詳しく説明する。人物のアイコンが記されたこのボタンが暗く表示されている場合、結果がパーソナライズドされていることを意味する。

ウェブの結果内のプライベートなコンテンツ

まとめると、パーソナライズドの結果には以下のアイテムが含まれる:

  • ウェブのリスティング
  • ウェブのリスティング: 個人の行動によって上位に押し上げられている
  • ウェブのリスティング: ソーシャルなつながりによって上位に押し上げられている
  • 公開されているグーグル+の投稿、写真、またはグーグルピカサの写真(全てのウェブのリスティング)
  • プライペートまたは“限定”されたグーグル+の投稿、写真、または、グーグルピカサで共有した写真

最後のアイテムは最も過激な変更である。プライベートなコンテンツが、全てのウェブにまたがると思われる検索で提供されるようになるのだ。以下に例を挙げる:

グーグルが提供しているこの例では(矢印付き)、[You shared this ‘Limited’](制限付きで共有済み)と言うメモと一緒に写真のうちの1つが表示される仕組みが紹介されている。

これはパーソナライズド検索をシンガル氏が利用した際の実例である。シンガル氏は飼い犬のチクの写真を全世界に公開するのではなく、グーグル+で限定的に共有していた。この画面で紹介されている同氏の夫人が飼う犬、シルパの写真もまたプライベートモードで共有していた写真である。

本日行われた変更が行われる前は、シンガル氏、夫人、そして、その他の共有した人達が「chikoo」で検索した際に検索エンジンはこれらの写真を全く表示しなかった。公開されていなかったため、グーグルは写真を見ることが出来なかったのだ。

シンガル氏や写真にアクセスした同氏の知り合いが写真を探したい場合、完全に別個のグーグル+ 検索を利用しなければならなかった。

この新しい機能は、限定で共有されたグーグル+の投稿、もしくは、グーグルピカサでプライベートモードで共有された写真を探す際にも役に立つ。

若干分かりにくいが、結果を掘り下げ、グーグルが“パーソナル結果”と呼ぶ結果を利用することも出来る。これはグーグル+またはピカサからコンテンツを得るための手段である。先程掲載したイメージを思い出してもらいたい。

「パーソナル結果」のリンク(または左側の“もっとツールを見る”のオプションの「パーソナル」)をクリックすると、正真正銘のパーソナルな結果が表示される。

フェイスブック等のコンテンツは対象外だが、グーグルは前向きに取り組む見込み

1回の検索で非公開の情報と公開された情報を探すことが出来る機能は多くの人々の役に立つだろう。しかし、現在、プライベートな情報の保管場所として最大クラスの一つに数えられる – 最大ではないのなら – フェイスブックのコンテンツは対象外である。

サーチ・プラス・ユア・ワールドは、フェイスブックのコンテンツを取り扱っていない。ツイッターのコンテンツも、フリッカーのコンテンツも、そして、その他のソーシャルネットワーク、またはコンテンツがより限定されたオーディエンスの間で共有される場所のコンテンツも採用しない。現在、「サーチ・プラス・ユア・ワールド」は「サーチ・プラス・グーグル+」と呼んだ方がサービスの内容をより正確に反映している状態である。

これらのコンテンツはなぜ提供されていないのだろうか?

「フェイスブックやツイッターやその他のサービスに対しては、基本的に、その利用規約により、グーグルが深くクロールを行うことも、データを格納することも出来ない。このような持続的なサービスを提供している[ネットワーク]はグーグル+だけである。当然ながら、その他のネットワークがルールを進んで変更してくれるなら、計画を練り、どのように機能するのか考えるつもりだ。」とシンガル氏は述べていた。

恐らく、サーチ・プラス・ユア・ワールドは、グーグルがフェイスブックにデータをグーグルと共有させるため、数年間に渡って求めてきた飴と鞭の効果を示すのではないだろうか。この新しい機能が軌道に乗れば、検索エンジンのユーザー達はグーグルでなぜフェイスブックの友達と非公開モードで共有した情報を見つけることが出来ないのか不思議に思うようになるだろう。

しかし、フェイスブックが同サービスの検索機能を拡大して逆襲に出てくる可能性もある。現在、フェイスブックはビングと提携を結び、フェイスブックの友達のいいね!を基に検索者の検索結果をパーソナライズさせる権限をビングに認めている。

しかし、公開モードで共有したコンテンツのみパーソナライズドされる仕組みなっている。フェイスブックとビングはさらに緊密に協力し、独自のサーチ・プラス・ユア・ワールドを考案する可能性がないわけではない。このサービスは、ビング、または、フェイスブック自体の内部で行われることも考えられる。

これまでフェイスブックは検索結果を改善するためにほとんど時間を費やしてこなかった。フェイスブックが何度も言っているように大半のフェイスブックベースの検索は、グーグルで行われているように広範なトピックの情報を探すためではなく、人を探すために行われていることが主な理由なのであろう。

ユーザーと共有した人だけがプライベートなコンテンツを見られる

グーグルがサーチ・プラス・ユア・ワールドを初めて私に見せてくれた時、どこか落ち着かない、そして、居心地の悪い気分になった。この機能についてじっくり考えた結果、“プライベート”なコンテンツがグーグルの“パブリック”な検索結果のように表示される点に抵抗を感じたことが落ち着かない気持になった原因だと思うようになった。

当然ながら、パーソナライズドされた結果はグーグルの公開された結果とは異なる。このタイプの結果は、閲覧する人のためにパーソナライズドされただけである。プライベートなコンテンツがこの人達と共有されている場合、表示され、共有されていないなら、表示されない。

また、グーグルは以前検索することが出来なかったコンテンツを検索することが出来るように変えているわけでもない。先程も説明した通り、グーグル+で共有されているプライベートなコンテツはグーグル+の検索では見つかる可能性はある。ある意味、グーグルは単純にグーグル+検索をユニバーサル検索の一つにしようとしているだけである。

つまり、グーグルで検索を行い、グーグルニュース、グーグル画像、グーグル動画、そして、その他のグーグルの検索サービスからマッチするコンテンツをそれぞれのサービスで個別に検索を行うことなく、見つけることが出来るのだ。グーグル+検索はこの統合サービスに新たに加わったのだ。

懸念をもたらすのか

先程も申し上げた通り、グーグル+でプライベートなコンテンツを検索することが出来る機能は、サーチ・プラス・ユア・ワールドが初めてではない。しかし、グーグルの検索結果に統合する方針は、それ自体がユーザーを驚かし、グーグル、そして、グーグルのユーザーにとって問題を引き起こすのではないかと私は危惧している。

模造品を販売しているサイトについて考えてもらいたい。グーグルがこの手のサイトにリンクを張ると、偽造品を宣伝しているとして、まるで偽造品を作っているかの如く非難される。サイトにビジビリティを与えることで、グーグルが非難の矢面に立たされてしまうのだ。

今後、グーグルはプライベートな情報にさらにビジビリティを与えるようになるだろう。他の人達と共有したことを忘れたコンテンツが、通常のグーグル検索を介して、思いがけなく現れるのだ。苦い思い出が突然再び現れるようになるとしたら、中には嫌がる人がいてもおかしくはない。共有自体にはグーグルは関わっていなくても、グーグルは責任を取る可能性はある。

フェイスブックのタイムライン機能によって先日浮かび上がった懸念と同じような懸念がグーグルに対しても提起されるかもしれない。タイムラインがリストアップするマテリアルが以前存在しなかったわけではない。しかし、整理することで、このニューヨークタイムズの記事が見事に説明しているように、忘れた記憶が蘇るのだ。

グーグル+では(フェイスブックとツイッターにも共通することだが)、プライベートなコンテンツにアクセスした人が簡単に公開してしまうことが出来る点も問題である。グーグルで誰かが検索を行い、その後、友達の予測していなかった写真や投稿が見つかった場合、世界全土に再び紹介する可能性もある。

検索の統合が行わなければ、このような状況にはならないかもしれない。もしかしたら、一つも大した問題には発展しない可能性もある。しかし、これらの懸念が脳裏をよぎったのは事実である。

共有したコンテンツを検索不可能にするオプションはこの問題の解決策になるポテンシャルがある。これはウェブ上の公開されているコンテンツに対しては実行することが可能である。グーグルやその他の検索エンジンに投稿したマテリアルを検索のリスティングに含めないように命令することは出来る。グーグルはプライベートのコンテンツに対しても同じオプションを提供する必要があるだろう(現在は提供されていない)。

セキュアサーチがプラバイシーを守るものの、リファラーのデータは広告主には筒抜け

グーグルはこれよりも大きな懸念の解消に焦点を絞ってきた。プライベートのコンテンツの検索結果に融合させると言うことは、安全なコネクションを持たずに検索している人によって、当該のプライベートなコンテンツが傍受されるリスクがあるのだ。

これで、グーグルが昨年10月にサインイン済みのユーザーに対してセキュアサーチを展開した理由がハッキリした。サーチ・プラス・ユア・ワールドを立ち上げる上で必要な準備だったのだ。

シンガル氏はセキュリティの問題への対処について「この問題には1年間かけて対処してきた。適切に対応するのは非常に難しい。それは解決することが出来なかった難しい技術的な問題であり、適切に対処することが出来るまでは立ち上げられなかったのだ。」と話している。

セキュアサーチが提供する暗号化により、通常の結果に混合されたプライベートなマテリアルは全て保護され、ユーザーのブラウザとグーグルのみが閲覧可能な状態になり、ユーザーが利用しているインターネットコネクションを監視している他人が見ることは出来ない。

昨年、多くのパブリッシャー達は暗号化の方針に異を唱えていた。その一環として、ウェブサイトを訪問する前にどんな検索が行われたのかを示す情報、つまりリファラーのデータの提供をグーグルが停止したためだ。

今日の取り組みを、リファラーデータの提供の停止を正当化する理由としてグーグルは挙げるだろう。この正当化は誤っている。事実、この方針は、プライバシーに関してさらに状況を悪化させてしまうだろう。リファラーのデータは今でも広告主に与えられているからだ。

ユーザー達は今まで以上にプライベートなコンテンツを求めて検索するようになるだろう。広告のリンクをクリックし、このようなプライベートな検索用語を広告主に提供してしまう可能性がある。

本日行われた変更は、グーグルがリファラーデータを遮断する取り組みについて考え直す必要があると言う私の見解を変えるものではなく、広告主を含む全てのユーザーを対象にするか、もしくは、様々な方法で見えてしまう検索用語をフィルタリングする優れた手段を見つけるべきである。

日曜日に投稿したエントリで、私はこの点を詳しく説明している: 2011: グーグルとビングがSEOとパブリッシャーに反旗を翻した年

オプトインではなく、オプトアウト

パーソナライズド検索を受け入れられないだろうか?残念ながら、グーグルはオプトインのルートを採用しなかった。そのため、自分でオプトアウトしなければならない。

デフォルトの変更が行われた理由を説明するなかでシンガル氏は「最終的にユーザーエクスペリエンスは大いに向上すると思う。」と述べている。

グーグルの検索の表示設定のセクションでこの機能を永久にオプトアウトすることは可能だ。また、先程紹介したトグルを用いて検索ごとにオプトアウトすることも出来る。地球のシンボルをクリックすると、非パーソナライズドな結果が表示される仕組みになっている。

これは素晴らしい。2009年12月以来、初めて‘普通’の結果を容易に見ることが出来るようになるのだ。

パーソナライズドは新しい“普通”になる

当然だが、それで普通の結果が見られるようになると推測するのは誤りである。確かに、ウェブ閲覧履歴(インターネットエクスプローラのツールバーでこのデータをグーグルに与えている場合)、検索の履歴、もしくはソーシャルネットワークでのつながり等のパーソナライゼーションの要素を除外する効果はある。

しかし、地理のターゲティング – 大きな影響をもたらす可能性がある – は今後も反映される。言語によるターゲティングもまた継続される。グーグルはこれらの要素をパーソナルなシグナルではなく、コンテクスチュアルなシグナルと呼び始めている。ユーザーが望む場合、どちらも無効にすることは可能だ。しかし、そうすることで、異なる地理的なロケーションまたは言語に合わされた結果が生成されることになる点は変わらない。

グーグルはグーグル+のユーザーを1億人に増やそうと試みているが、その多くがアクティブユーザーなら、グーグルにログインすることになる。この点はさらに重要度が高い。つまり、“普通”の結果がパーソナライズドされていることになるのだ。パーソナライズドの結果が普通の結果であり、パーソナライズドされていない結果は普通ではないのだ。

グーグルプロフィールが巨大な魚を釣り上げる

サーチ・プラス・ユア・ワールドのリリースの一環として、グーグル+のアカウントを持つユーザーががグーグル検索で大幅に目立つようになった点も大きな変更の一つに挙げられる。

ログインしたユーザー達が検索を行うと、次のように検索ボックス内に友達が表示されるようになる:

ベン・スミス氏に対して、当該の人物の小さな写真がベン・スミスを示唆する検索のすぐ隣に表示されている。この結果が選ばれると、リンクによって同氏のグーグル+のプロフィールに導かれる仕組みになっている。

これはグーグル+のビジネスページにおいてグーグル・ダイレクト・コンタクトが果たす役割と酷似している。個人が見る結果は、フェイスブックで人を検索するときのように、それぞれのソーシャルネットワーク内の人物が優先される。

要するに、一般的な名前を持つ友達を検索すると、知らない人ではなく実際の友達のグーグル+のプロフィールが表示されるのだ。

その上、検索結果自体もまた、グーグル+の人物のマテリアルを表示するためにスペースを与えている(実際に、11月以来、見事にこの取り組みを実行に移している):

上の例では、ベン・スミス氏のグーグル+のプロフィールが結果内にリストアップされ、同氏の最近の投稿も幾つか表示されている。同氏はシンガル氏の友人であり、だからこそ“限定”の共有が表示されているのだ。シンガル氏がグーグル+でスミス氏を加えた「友達」のサークルもまた表示されている。

「個人的には、私のグーグル検索の見方が変わるだろう。彼ら[シンガル氏の知り合いや興味を持っている人達]が何を言っているのか、もしくは、私が気にするべき結果があるかどうかを容易に見分けることが出来るようになるからだ。」。」とシンガル氏は話していた。

フェイスブックのプロフィール、もしくはウェブサイトのプロモーションについて

それにしても、グーグル+のプロフィールに多くのスペースが与えられている。フェイスブックの利用規約によってグーグルがデータを得ることが出来ない点は事実だが、上のイメージのような直接的なつながりの示唆、そして、ツイッターはもちろんのこと、フェイスブックのプロフィールページ経由のコンテンツの大胆な表示が、フェイスブック自身に対して行うことが出来ない理由はいまいちハッキリしない。

結局、クオラやツイッターで行われているように、グーグルがソーシャルメディアのプロフィールに対してサイトのリンクの拡大を実施することが出来るなら、拡大されたプロフィールのリスティングで、プロフィールの関連する投稿を幾つか表示する取り組みはそれほど難しいとは思えないのだ。

言うまでもないことだが、上のケースでは、スミス氏がシンガル氏の友人である故提案が行われているため、難しいかもしれない。しかし、グーグルはユーザーがつながり持っていなかったとしても、いずれ、一部のセレブや著名人を提案するようになるだろう:

上の例ではシンガル氏自身はつながりを持っていないものの、グーグル+のプロフィールページに向かうリンクと共にフォトグラファーのトレイ・ラトクリフ氏が提案されている。

この結果は、ラトクリフ氏がグーグル+のフォロワーを獲得する上で役に立つだろう。しかし、フェイスブックのプロフィール、もしくは、自分のウェブサイトへのリンクを掲載してもらいたい場合はどうだろうか?グーグルは2008年、そして、2009年にはこの手の取り組みを行っていた:

ご覧のように、ニューヨークタイムズに対する検索が、検索ボックス内でニューヨークタイムズへのリンクを提供していた。このリンクが静かに姿を消していたようだ。

そして、現在、グーグル+に限定した同様の機能が現れており、間違いなく、反独占禁止を唱える批評家達は、グーグルが公正ではない方向に進んでいるとして非難の声を高々と上げるはずだ。そして、この非難は的を得ていると言わざるを得ない。

人物 & ページの提案

事実、独占禁止派の批評家達がさらなる攻撃の材料を必要としているなら、サーチ・プラス・ユア・ワールドの最後の要素、つまり、グーグル+でフォローを薦める人物とページを提案する機能を槍玉に挙げるべきである。

これらの提案は、グーグルが関連性を認めると、検索結果の左側に表示される。以下に「music」の検索結果における提案を掲載する:

グーグル+にとってはまたとない宣伝の機会である(そして、マーケッター達がグーグル+を無視するべきではない点をさらに強調している)。しかし、グーグル+よりも、ツイッターやフェイスブックの方がユーザーは今でも多い。

グーグルは、検索に対するその他のソーシャルネットワーク上のプロフィールの関連性を容易に把握することが出来るはずである。この類の提案を行うなら、それは検索エンジンとしてのグーグルの仕事である。しかし、このタイプの扱いを受けているのはグーグル+のみであり、何かおかしい気がする。

まとめ

全体的に見て、私はプライベートなマテリアルとパブリックなマテリアルを介して検索を行うことが可能な今回の統合には満足している。先程も申し上げた通り、大勢のユーザーがこのシステムのメリットを理解するようになると思う。

しかし、とくにコンテンツを検索を介して見つからないようにする機能を含め、幾つかプライバシーコントロールの機能を加えることが出来る余地があると考えている。

しかし、何よりもまず、今後の数週間で、グーグルにはその他のソーシャルネットワークに均等な機会を与えるため、全力で取り組んでもらいたい。

確かにフェイスブックやツイッターが認めていないこともあり、出来れば避けたい協定の締結や規約への同意がなければ実現しないだろう。しかし、グーグルプラスを宣伝するようにその他のサービスを宣伝するために、その他にもグーグルが実施することが出来る取り組みがあるはずであり、是非、グーグルには行動で示してもらいたいと思う。

詳細

以下に、この新しい機能を紹介するグーグルの動画を掲載する:

YouTube Preview Image

また、グーグルは詳細を記したブログのエントリを投稿しており、興味がある方はここをクリックしてもらいたい。その他のニュースソースの記事は、このテックミームのページを参考にしてもらいたい。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Results Get More Personal With “Search Plus Your World”」を翻訳した内容です。

細かい変更は色々あれど、全ての要素を統合した1つの検索体験に集約させつつある所にGoogleの本気度がうかがえますね。確かに「プライベートとパブリックなコンテンツが、同じ体験の中で同一に検索される」ことは一種、革命的ともいえるかもしれません。最初は戸惑う人も多いかもしれませんが、1年も立てば誰も気にしなくなることに1票投じたいと思います。

元々ウェブでブログを書いたり写真管理をすることが一般的になったりFacebookやTwitterのようなオープン型のソーシャルネットワークが普及する中でプライベートとパブリックの境界線がユーザーの頭の中でもかなり曖昧になりつつある気がしますが、このGoogleの検索革命が人々の情報に対する意識さえ変えていきそうで、個人的にはその最終形がどうなるのか興味があります。プラスの部分もあると思いますが、負の側面もそれなりにありそうですし。

後は今回の変更がGoogle+の普及に拍車をかけるかも気になる所ですね。5,000万人突破も近いといわれるユーザー数ですがかたやFacebookは今年の夏に10億人を突破するとも噂されていますし。YouTubeでも実験的にGoogle+が連動され出しているという話もありますし、今後Googleがどこまで自身のサービスをフル活用してGoogle+を普及させていけるのか目が離せないです。

今回の変更によりSEOどうこうという話もありますが余り本質的な話ではないと思うので無視ということで。これでSEOが必要なくなったと思う人はSEOはもうやらないということで良いんじゃないでしょうか。 — SEO Japan

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アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

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