Googleのモバイル検索&SEOに関する8つの公式見解

公開日:2011/11/21

最終更新日:2024/02/17

ブログ

誰もが思った以上にスマートフォンの普及している現状、「モバイル検索」「モバイルSEO」なんて完全に忘れられた存在になりつつある昨今ですが(モバイル検索エンジンのクオリティ自体も余り変わってないままですし・・・)、米国の話ながらGoogleによるモバイル検索に関する公式見解の記事がサーチエンジンランドに出ていたのでピックアップして紹介することにします。さて日本で参考になる情報はあるでしょうか? — SEO Japan

今月初め、Googleは、“Google イニシアチブ”とはっきりと称されたGo Moを発表した。まるでそれがモバイルコンテンツとモバイルサイトの価値に対するGoogleの見解を表明するかのように。

しかし、モバイルサイト、モバイル検索、モバイルSEOに対するGoogleの公式スタンスは何なのか?

多くの人々は、Googleがモバイル検索とモバイルSEOに対する公式見解を提供したのだと主張するだろう。しかし、そういう人たちは、Googleにいる他の人物がこの件について全く異なる、時には対称的な見解を出していることに気がついていないのだ。

モバイル検索に関連したウェブマスターの問題に関してGoogleの人たちはいくつの見解を出したのだろうか?私の計算では、8つだ。

1. モバイルの複製コンテンツとモバイルURLに関するMatt Cuttsの見解

今年1月、Matt Cuttsは、モバイルSEOに関する疑問に答え、テスト目的で、モバイルサイト用のGooglebotモバイルとデスクトップサイト用のGooglebotのためのURLリダイレクトと共にモバイルURLを使うことを推奨した。

彼は、最もアクティブなモバイルユーザーであるスマートフォンユーザーについては言及しなかった。しかしながら、Googleが一貫性を持ち続けているある1つのことを言った:モバイルコンテンツは複製コンテンツではない、もしあなたがそれを適切なボットにリダイレクトすれば、クローキングと見なされることはない。彼は、クローキングに関する最近の動画の中でもこの立場を繰り返し言っていた。

2. モバイルコンテンツのリダイレクトに関するGoogle SEOガイドとGoogle Japanの見解

Matt Cuttsがリダイレクトについて提供したアドバイスは、2009年終わりに携帯電話ユーザーをモバイルサイトにリダイレクトすることを推奨していたGoogle Japanチームから取り込まれたものだ。

このアドバイスは、そのおよそ1年後に発行されたGoogle SEO Starter Guideの中のモバイルSEOのセクションで繰り返されていた。(上図参照)

3. 従来のモバイルコンテンツはリダイレクトするが、スマートフォントラフィックは当てはまらない

リダイレクトに関しては、今年2月にウェブマスターチームのPierre Farが、以前はなかったスマートフォンのトラフィックと従来の携帯のトラフィックの区別をした。

彼は、ウェブマスターはスマートフォンユーザーについては特別なことをする必要はないが、それはいくつかのウェブサイトには理にかなったことかもしれないと言った。さらに彼は、モバイルサイトマップはスマートフォンURLのためではなく、従来の携帯用URLのためのものだと言った。

4. スマートフォントラフィックをモバイルサイトに、タブレットユーザーをPCサイトにリダイレクトする

それから1カ月と少し経った後、GoogleウェブマスターチームのMaile Ohyeは、Androidユーザーをモバイルサイトに送るのは妥当であり、またAndroidタブレットユーザーをPC用コンテンツに送ったり、スマートフォンユーザーをモバイルコンテンツに送るべきとも言った。

でも、Pierre Farがスマートフォン検索者にはリダイレクトは必要ないと言ったばかりでは?

5. シングルURLのモバイル戦略に関するGoogleのJohn Muellerの見解

GoogleウェブマスターチームのJohn Muellerは、自分のバズページ(今はGoogle+)で質問を取り上げ、その中で彼は、リダイレクトを減らしてモバイルユーザーにより速い体験を提供することを目的として、スマートフォンコンテンツのためのシングルURLのモバイル戦略を推奨していた。

それから彼は、“もしもtouch.example.comというサイトが特別なニッチを取り上げていて有意差があるなら、恐らく、別にインデックスし、rel=canonicalを追加しなくてもOKだろう”と言って、Search Engine Roundtableに対する自分の見解を明確にした。

  • アップデート – John Muellerは、自身のGoogle+ページ上で、モバイルURLとモバイル用にフォーマットされたPCサイト用URLのどちらもGoogleでは問題ないと後で述べた

6. 素早く、関連性のある、シンプルなモバイルユーザー体験を提供すること

今年6月後半、GoogleのAmit Singhalは、モバイル検索でモバイルユーザー体験を提供することに焦点を合わせていると述べ、スマートフォンと多機能携帯のモバイル検索を区別しなかった。

彼は、Googleが素早く、関連性のある、シンプルなモバイルユーザー体験に焦点を合わせているために、モバイル検索において秀でる態勢ができているのだと述べた。

今年3月、ページスピードに取り組むチームも、モバイルユーザーにとってより重要なのはスピードであると言った。

7. 融合したモバイルランキングのアルゴリズムに関するScott Huffmanの見解

GoogleエンジニアのScott Huffmanは、2009年のSearchologyで、Googleが特定のクエリに関してPCユーザーよりもモバイルユーザーにより関連があると思われるコンテンツを提示する方法を持っていることを暴露し、今年のニューヨーク・タイムズの記事の中でこれを正式に発表した。

Resolution MediaCovarioによる別々の検証が共に、モバイルスマートフォンのランキングがPCサイトのランキングとは異なることを確かめた。Pierre Farや他の人達は、PCサイトはスマートフォンブラウザに適していると主張しているため、モバイルに最適化されたコンテンツが実際にモバイル検索内のランキング要素であるかどうかはまだはっきりとしない。

8. PCサイトを変換するのではなく、モバイル特有のコンテンツを作る

モバイルについて話題にしている最近のGoogle社員といえば、Re-think Mobile Marketing & Analyticsという名の素晴らしいウェビナーを行ったAvinash Kaushikだろう。

このウェビナーは、ブランドバリューを損なうのではなくブランドバリューに付加する特別なモバイル体験を作ることに焦点を合わせていた。彼の基本前提は、デスクトップユーザーのためにデスクトップコンテンツを、モバイルおよびスマートフォンユーザーのためにモバイルコンテンツを、タブレットユーザーにタブレット最適化したコンテンツを作り、それぞれのデバイスができることを最大限に活用する方法でそれを行うことだった。

これは、私達がGo Moサイト上のベストプラクティスから得るメッセージと多くが同じであるが、疑問がある:もしモバイルコンテンツがモバイルユーザーにとってそんなに重要なら、なぜGoogleはモバイルおよびスマートフォン検索にこんなに多くの使用不可能なデスクトップ結果を表示しているのだろうか?

最後に

そう、モバイルサイトとモバイル検索に関して、Google社員からの8つの見解があるのだ。もっとあるかもしれないが、ここでは私が知っているものを紹介した。だから、モバイルSEOは虚構だとライターが主張する時に当惑するのだ。一人のGoogle社員が一つの見解を持っているのだから。もしあなたがモバイルサイトとモバイル検索についてGoogleという組織が考えていることを本当に知りたいのなら、彼らが言ってきたことを全てまとめ、それを解明しようとすることだ。

確かに、これら全てのスタンスが互いに矛盾しているわけではない。

例えば、Amit Singhaiがモバイル検索者に必要だと提案しているように、モバイルユーザークエリに極めて適切なシンプルなインターフェースを持った早いサイトを作ることができるし、それをMatt Cuttsが提案しているようなm.domain.comのようなモバイルURL上に作ることができる。

しかしながら、中には互いに矛盾するものもある。

例えば、Maile OhyeとAndroid開発チームはNexus Oneのようなスマートフォンのトラフィックをモバイルコンテンツにリダイレクトすると言っているが、Pierre Farはスマートフォンコンテンツにはリダイレクトは必要ないと言っている。

さらに、もしあなたがユーザークエリに非常に適したシンプルなユーザーインターフェースを持った素早いサイトを作るなら、なぜスマートフォンユーザーに、結果を見るために小さなテキストをピンチしたりズームしたりするのが遅くなる可能性が高いデスクトップコンテンツを提供するというのか?

これまで与えられてきた回答は、回答よりも多くの疑問を引き起こしているため、ウェブマスターが適切なモバイルコンテンツを適切な検索者に提供できるように助けるために、ここで何らかの明確化が必要だ。

最後に、私は、マーケッターは最適化し続けるために、Googleが私達のモバイルSEO戦略を認証するまで待つ必要があると提案しているのではない。

それどころか、モバイルユーザー体験がデスクトップユーザー体験とどう違うのかを理解するためにモバイルキーワード調査をすることや、そのユーザー体験に向けて自分のコンテンツを作ることは、優れたSEOである。たとえユーザーがモバイルであるとしても。

しかし、Googleよ、もしあなたが、Bingが先月したように、モバイルサイト、モバイル検索、モバイルSEOについて自分の見解を明確にしたいのであれば、ウェブマスターのコミュニティは、上記のような時に矛盾する見解を消化する方が楽だと感じるかもしれない。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


この記事は、Search Engine Landに掲載された「Do You Know Google’s Official Stance On Mobile Search & SEO?」を翻訳した内容です。

どこまでが「公式見解」かどうかは判断が難しいものもありますし、Googleのスタッフ間でも微妙に意見が違っているのも面白いですが、日本から普及したアイデアもあったりしたんですね。2009年の話ですが。。。スマートフォンブームとはいえフィーチャーフォンユーザーも相当数いるのは事実ですし、この記事を参考にモバイルSEOもきちんとやろう!といいたいところですが、モバイル検索エンジン自体の進化が止まっているようにしか見えない最近の状況、つまりサイトをモバイル用に最適化してもきちんと結果に反映されないことも多い現実もあったりしますし、なかなか難しい分野ではありますね。とはいえ最後の「モバイル特有のコンテンツを作る」辺りはスマートフォンにもいえることとも思いますし、「スマートフォンはPCサイト見えるから、何もする必要ないよね」で済ませていいのかということも少しは考えて始めてみてもいいかもしれません。 — SEO Japan

記事キーワード

  • Facebook
  • X
  • はてなブックマーク
  • pocket
  • LINE
  • URLをコピー
    URLをコピーしました!

編集者情報

  • X
  • Facebook

アイオイクス SEO Japan編集部

2002年設立から、20年以上に渡りSEOサービスを展開。支援会社は延べ2,000社を超える。SEO/CRO(コンバージョン最適化)を強みとするWebコンサルティング会社。日本初のSEO情報サイトであるSEO Japanを通じて、日本におけるSEOの普及に大きく貢献。

メディアTOPに戻る

RECRUIT

一緒に働く人が大事な今の時代だからこそ、実力のある会社で力をつけてほしい。
自分を成長させたい人、新しいチャレンジが好きな人は、いつでも歓迎します。