【0148】パーソナライズド化から見る今後のSEO
完全な個人予測ですが、Googleの技術を過小評価しないで考えれば近い将来このようになってもおかしくないのでは、と考えています。
■SEOの終焉
「SEOの終焉」という議論はある周期の中で何度か勃発しますが、最近議題になったのは「ソーシャライズド」もとい「パーソナライズド検索」に他ならない。
記憶にあるきっかけは、「twitterからのリンクがSEOに効果的か」、という話題。それからしばらくして「FACEBOOKのイイネ」「Google +」の影響など、ユーザーニーズが多様化しているマーケットの期待に応えるようにGoogleも個人の好みや行動パターンに合った検索結果を表示するようになってきた。
この方向性が強化されると困るのはSEO業者である。被リンクの効果が落ちてきて、個人の行動パターンによって順位が決まるようになってしまったら。その比率が大半になってきてしまったら。考えると怖いところもある。
『SEO市場でどう生き残るか』という結論は先に置いて、「パーソナライズド」というアルゴリズムがどういうものか簡単におさらいしたいと思う。
■パーソナライズドとは
至極簡単に言うと、ユーザー個人の嗜好パターンによって検索結果が変化するというもの。
例えば、東京で検索していたら東京の情報が出てくるようになったり、過去の検索履歴や閲覧サイトなどから自分の好みのサイト(よく見るサイト等)が上位に表示されやすくなるというものだ。
【影響を受けるデータ】
・検索エリア
・言語
・閲覧履歴
・検索履歴
・ソーシャルデータ
・
・
・等
実は現時点では、検索結果に影響があるのは2,3割程度と言われており、基本的にはGoogleアカウントにログインしている時に大きく影響を受ける。現時点で影響は限定的だがGoogleのSEO以外のインフラが整えば整う程パーソナライズド化は進んでいくのではないかと懸念しているわけです。
Androidが普及し、ユーザーの嗜好行動データを豊富に抱えている以上、そのユーザーに合った検索結果(情報)を届けたいと考えるのはGoogleとしては正しい姿だ。
今やAdwords広告や自然検索結果、はたまたディスプレイ広告上にも「+1」ボタンがつくようになりインターネット上の大半のメディアがGoogleのソーシャルデータを反映するようになる可能性も否定できない。
■Googleがやろうと思えばできるコト
さらに進化するのではないかというポイントはこれ。
(完全に個人思想で根拠となるデータがあるではないのであしからず)
ディスプレイネットワークのターゲティング機能の充実から発想したことではあるが。
ソーシャルデータの影響を受けずとも、「似ている行動パターンデータ」を持っている他のユーザーがよく見るサイトも検索結果に影響するようになるのでは。と。
技術的には難しくないはずだ。
Googleは僕達の行動パターンから、「何に興味があるのか」という視点でユーザーをカテゴリ分けしている。そのデータ取得範囲はGmailの開封履歴や返信履歴なども含まれる。
現時点では興味連動型のサイト表示はディスプレイ広告のターゲティング機能の一つに収まっているが、それをSEOに応用できない理由はない。
■今後のSEO
パーソナライズド化が進むと仮定して、SEOを意識している運営者側は何か変わるのであろうか。言い方を変えると何か変えるべきなのであろうか。
僕の答えは否。
Googleは進化しているだけで、何も変わっていないのだ。
「ユーザーの求める情報を提供する」
「人間が見て良いと思うサイトを機械的に評価できるように」
本質は変わっていないのだ。
まだまだ被リンク効果を否定できるわけがないが、ユーザーの支持を受けるコンテンツを提供する。これに尽きるのではないか。
また、過去によく見ているサイトが有利になるのであれば、何度も訪問したくなるようなコンテンツを提供すべきだ。
(スティッキネス=粘着性というらしいですね。)
被リンクはまだまだ重要である。
しかし、最重要項目ではない。
SEOは結局どこまでいってもWEBマーケティングの手段の一つなので、ユーザー視点、顧客理解というマーケティングの本質を抜かしていてはいけないんですね。