Googleパーソナライズ検索の詳細解説×7項目

[レベル:全員]

Google検索のプロダクト・マネジメント・ディレクター、Jack Menzel(ジャック・メンゼル)氏がStone Temple Consultingのインタビューに答え、パーソナライズ検索について詳しく語りました。

重要ポイントを紹介します。

1. パーソナライズとコンテキストは別モノ

言語や場所、時期によって検索結果が変わることがありますが、これらはパーソナライズによるものではなく、コンテキストによるものです(※鈴木注:ブラウザの言語設定が日本語なら日本語のサイトを優先するだろうし、米国にいるユーザーが「bank」(銀行)を検索したら英国ではなく米国の銀行のサイトを優先するだろうし、Thanksgiving Day(感謝祭)が近づいている時期に「turkey」(七面鳥)と検索したら、七面鳥の丸焼きレシピのページが優先して出てくるかもしれません)。

そのユーザー特有のパターンに基づいて嗜好に合わせた結果を返すのがパーソナライズ検索になります。何度も何度も同じサイトに検索から訪問しているとそのサイトの順位が上がってくることがあります。ユーザーにとってお気に入りのサイトを見つけやすくするためです。

「Jaguar」(ジャガー)は、ギターやOS、動物、フットボールチームの名前ですが、もし検索者がフットボールのファンだとGoogleが認識していたらフットボールサイトが優先される傾向にあります。同じようにゲーム好きな人には同じ検索キーワードでもゲームのサイトをより上位に出すことがあります。

2. 直前の検索によっても検索結果は変わる

直前の検索に使われたキーワードによっても検索結果が調整されることがあります。たとえば、「rome」(ローマ)で検索した後に「hotel」(ホテル)を検索すると、ローマにあるホテルのページが出てくるかもしれません(※鈴木注:想像しやすい例です。僕が調べた限りでは変わりません。)。

ただし直前検索による検索結果の変更がパーソナライズによるものかコンテキストによるものかの境はあいまいです。

3. ソーシャルデータにも影響を受ける

たとえばあなたの友だちが+1したレストランが、あなたの検索結果で上位に出てくることがあります。ソーシャルネットワークでの繋がりもパーソナライズ検索に影響するためです(※鈴木注:+1を含む、ソーシャルネットワークでの繋がりがパーソナライズ検索に影響し出していることはこの記事この記事この記事で解説しました)。

4. ログインしている時もしていない時もパーソナライズされる

Googleアカウントにログインしていない時でもパーソナライズ検索が適用されます。ログアウト時のパーソナライズ検索はCookieに保存された情報に基づきます。Cookieは180日間保存されます。

ログインしていない時はパーソナライズ検索に利用できる情報が少なくなるので、ログインしている時よりもパーソナライズの度合いは小さくなります。パーソナライズ検索を最大限に利用したいならログインしておくべきです。

なおログインしていない時は、ソーシャル要素によるパーソナライズは働きません。

5. IPアドレスには依存しない

GoogleアカウントへのログインまたはCookieに紐付いてパーソナライズ検索が起こり、ユーザーが利用しているコンピュータのIPアドレスには依存しません。

6. &pws=0パラメータで無効化

検索結果の末尾に「&pws=0」を付けることでパーソナライズ検索をオフにできます。
パーソナライズ検索をオフにしたとしても、言語や場所、時期などコンテキストによる検索結果の調整は発生します。

7. パーソナライズが適用される範囲と与える変化は小さい

ユーザーの嗜好パターンが意味のあるものとして認識できるための十分なデータが集まって初めてパーソナライズ検索が働きます。そしてパーソナライズされた時でも、検索順位の変化は通常はごく小さなものです。

パーソナライズ検索が適用されたとしても、検索結果に多様性をもたせる“QDD”アルゴリズムが働く余地は残されています。フットボール好きなユーザーが「Jaguar」を検索たとしても、フットボール以外のギターやOSの情報を探していることもありえます。完全にパーソナライズすることはしません。

パーソナライズ検索が適用されるとユーザーごとの検索結果が多少なりとも変わってきます。
今後はますますパーソナライズの度合いが高まっていくでしょう。
アルゴリズムの大きな変動を発見するために日々のランキングチェックは役立ちますが、SEOの成果指標としての重要度は確実に下がっているはずです(ランキングチェックが無意味だとは言わないし否定もしません。分かりやすい指標として利用することに価値はあります。)。

検索エンジンには中立的な結果を僕は求めているので、個人的にはパーソナライズ検索は好きではありません。

「&pws=0」が必ず付くように設定して普段は検索しています。
このパラメータを付けてもパーソナライズ検索がいくぶんか働くと主張する人もいるようですが、そこまで神経質にはなっていません。

ただ、ソーシャルによるパーソナライズは好きになれません。
+1ボタンを押しまくっているソーシャル大好きな友だちにバイアスをかけられてしまうかもしれませんよね。
そして、検索結果に出てくるアイコンが目障りです(その人が嫌いってことじゃなく)。w

話が変な方向へ飛んでしまいましたが、検索ユーザーとして、またSEOに取り組むウェブマスターとして今回のインタビューではパーソナライズ検索について学ぶところが多くありましたね。