最近のアンケート結果によると、米Lifehacker読者の77%が「Googleの検索結果のクオリティが下がっている」と感じているようです。では、実際のところ、どうなのでしょうか? 

米Lifehacker編集長Adam Pashは、歯を白くする効果があるという魔法のペン型歯ブラシ『Idol White』を例に、Googleから得られる検索結果について、検証しました。

 Googleにおいて「Idol White」のキーワードで検索した結果(検証時)は、こちらの画像のとおり。「IdolWhite.com」といった製品のホームページらしきものが、1ページ目の結果に見当たりません。トップに表示されているのは、安っぽいブログテンプレートで設定された「IdolWhite.org」というウェブサイトで、「IdolWhiteReview.org」、「IdolWhiteReviewed.net」のようなドメイン名のスプログ(スパムブログ・ブログスパム)が続いています。

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中でも、画像の下に表示されている、「IdolWhiteExposed.com」の「Idol White - Is Idol White A Scam? Discover Our Shocking Review!(Idol Whiteは詐欺なのか? 衝撃のレビューを見よ!)」が気になります。「IdolWhiteScam.net」のように、同様の「詐欺」に関連する検索結果は、ほかにもあります。実際のコンテンツは、「Idol Whiteは効果的で、世界中で多くの消費者がこれに満足しています。『Idol Whiteが詐欺だ』なんて言う人はいません」というものです。

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検索とフィルタを何度やっても、評判のよい第三者によって書かれた『Idol White』に関する内容は、見つけられないでしょう。ロボットによる質の悪い広告コピーが掲載されたブログが、何ページも続くだけです。問題なのは、これらのスプログは非常に質が悪く、検索結果として表示される資格がないものだということ。

もちろん、Googleが責められるべきことではないかもしれません。スプログ以外、『Idol White』について誰も何も書いてないとしたら、Googleはどうしようもありません。実際、Amazonのようなユーザによる製品レビューが掲載されているサイトでも、このようなケースに対して何もしていません。しかし、Googleは「ググる」という言葉になっているほど、検索の代名詞になっています。検索の分野で、スプログなどに屈してしまうなら、ユーザにとって問題です。

Tumblrの元開発者でInstapaperを創ったMarco Arment氏は、ブログ記事でこの問題について次のように述べています。

ここ何年かにわたり、アフィリエイトマーケティングや自動生成されたスプログといったスパムは、製品検索の有用性を多く損なわせてきた。Googleで意味のある製品検索をするのは不可能だ

残念ながら、ユーザ視点でシンプルにすべてを解決する方法はありません。Googleが正しく機能してくれれば、よりよい検索結果を得るために、マニアックな検索スキルや難解なトリックを駆使する必要はないでしょうが、現実はそうはいきません。有用な情報をゲットするためには「検索クオリティが下がり気味? なGoogleの検索機能を補完するコツ」のように、検索方法を工夫する必要があります。

ただし、希望はあります。GoogleのMatt Cutts氏は、検索のクオリティ向上に取り組んでいることを明らかにしているので、今後の改善に期待しましょう。

この検証では、Adamは『Idol White』について信頼できる情報は、結局何も得られなかったそう。もちろん、この検証は『Idol White』に限ったものですが、Google検索が抱える問題を示す一例といえそうです。「このワード・商品でも同じような惨状...」という、日本語でも同様のご経験をお持ちの方は、ご意見やご感想をコメント欄にどうぞ。

Adam Pash (原文/訳:松岡由希子)