AdWordsの新機能、競合状況の分析の効果的な使い方

先日、AdWordsにてまたまた新機能が導入されました。

「競合状況の分析」という、いかにも利用できそうな新機能だったため、早速1,2時間使い倒してみましたので、競合状況の分析の効果的な使い方と利用時の注意点などを書き出してみました。

競合状況の分析はアカウント管理者の悩める箇所の補助として利用できる便利な機能になり得ますが、見方・使い方を誤ってしまうととんでもない仮説を導き出しかねない機能ですので、しっかりと目標を持って利用することをお薦めします。

また、いくつか重要なものはいつもわかりにくいヘルプよりわかりやすく引用しています。

競合状況の分析の解説


※上記データはAdWordsブログより引用しています。

まず競合状況の分析を利用するには最適化タブをクリックし、①左メニューに出現している「競合状況の分析」を選択します。

すると、アカウントレベルの統合したデータを、③AdWords内で振り分けられた最上位レベルのカテゴリで表示され(グラフ内水色)、その同じカテゴリの競合広告主(グラフ内オレンジ色)と比べた場合の比較値がグラフと数字で表示されます。

尚、最上位レベルのカテゴリは約50個で、全てのカテゴリーは7,000個にも上るそうです。
※青色で記載されている箇所はクリックすることで最大5階層下までカテゴリーが用意されており、最後は検索クエリが表示されます。ここで表されるカテゴリーは若干曖昧なものが表示される場合が多いようですが、あまり気にしない方がよさそうです。

②のプルダウンメニューでは、「クリック数」・「表示回数」・「クリック率」・「平均掲載順位」を選択することができ、それぞれの競合との比較値を見ることが出来るようになっています。

④「該当カテゴリなし」という項目はGoogleが指定したカテゴリーに含まれないキーワードなどが含まれているもので、下部の「検索クエリを表示 ≫」をクリックすることでどのようなキーワードがGoogleが指定したカテゴリーに含まれないのかを見ることができます。

尚、これらのデータはアカウントごと、キャンペーンごと、広告グループごとに細かく表示することが可能です。

競合状況の分析の効果的な使い方

上部では競合状況の分析の利用方法を解説しましたが、この機能は自社と競合を比較したデータ(ベンチマーク)をみることができるというのが大きなメリットです。それぞれのケースでどのように利用するのが効果的であるかを書き出します。

クリック数が競合広告主よりも下回っている場合

競合広告主とは予算も戦術も異なります。その為にクリック数だけを競合広告主と比較するのはナンセンスだというのを大前提として考えれば、自身のアカウントの主戦力となるキーワードが含まれている広告グループのデータを主体的に見るのが良いでしょう。

獲得に貢献しているキーワードが含まれた広告グループのクリック数が競合広告主と比較して低いということは、競合広告主に多くの見込み客を奪われている可能性があります。主戦力のキーワードは可能な限り露出し、獲得を最大化することはAdWordsだけに限らず、リスティング広告においても非常に重要なことです。

この場合はどこに予算を割くのか?を再考し、しっかりとしたアカウント設計を行いましょう。

表示回数が競合広告主よりも下回っている場合

キーワードが足りない可能性や、キーワードマッチ(完全一致、部分一致、フレーズ一致)等によってある程度制限している場合、競合広告主が露出を制限している場合などがある為、一概に何とも言えないデータなのであまり参考にしない方が良いでしょう。

あまりに競合広告主よりも下回っている場合には、「競合他社はより多くのキーワードを利用しているのかもしれない。」という仮説を立てることが出来るため、キーワードの追加を検討するのがいいかもしれません。

クリック率が競合広告主よりも下回っている場合

競合状況の分析機能の中の一番利用できる項目であると感じています。

例えば、「競合広告主よりも平均掲載順位が高いのに、クリック率が低い」場合は、広告文がかなりの確率で”イマイチ”であるということになります。競合広告主は平均掲載順位が低いのに、自社よりもクリック率が高いのですから…。

この問題は早急に解決しなければなりませんので、競合広告主に負けないメリットを盛り込んだ広告文に切り替える必要があるでしょう。

また、クリック率を上げることで品質スコアの改善にも役立てることができます。

参考:リスティング広告、広告文成功のための4つの秘訣

平均掲載順位が競合広告主よりも下回っている場合

あまりに気にしない方が良いのがこの平均掲載順位を競合広告主と比較する部分ですが、ブランドネームや社名で広告を出稿している場合は、それらの入っている広告グループの平均掲載順位は常に気にしたほうが良いでしょう。

筆者の経験上、ブランドネームや社名で広告を出稿する場合、1位表示に勝るものはありません。

尚、平均掲載順位というのはあくまで平均でしかありませんので、リスティング広告の平均掲載順位の注意点を注意しながらみていくと良いでしょう。

競合状況の分析、3つの注意点

  1. 若干データがずれていますが、そのあたりはざっくりと目安程度に見るようにする。
  2. Google検索と検索ネットワークでの掲載結果データのみが使用され、ディスプレイネットワークでの掲載結果は考慮されません。
  3. 2011.02.02時点で日付を指定できない。

AdWordsの新機能、競合状況の分析の効果的な使い方/まとめ

今回上げた競合状況の分析の効果的な使い方はいずれも、AdWordsアカウントを広告グループ単位でしっかりと細かく分けて運用していなければ威力を発揮されるのは難しい方法です。

アカウント単位で競合と比較しても、精度の高い仮説を立てるのは難しいですし、それらを元に戦略を立てることはほぼ不可能ですからね。

広告グループを細かく分けて運用している担当者にとって今回の競合状況の分析機能はより自社のアカウントを正しい方向に導いてくれる機能かもしれませんね。

あーっというまにかなり長文になってしまったので、あとは各自でよりよい使い方を見つけてください。そしてコメントで教えてくれるとうれしいです。

参考:Inside AdWords-Japan: AdWords 競合状況の分析について

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