SES SF 2日目が終了しました。
例によって簡単にそれぞれのセッションをちらりとご紹介します。
Keynote:BJ Fogg
キーノートスピーチはスタンフォード大学のBJ Fogg さん。
スタンフォード大学で Pasuative Technology についてのラボをやっているそうで、
Keynote のテーマは人の行動を科学する。
Facebook の notice が来て、ちょっと友達の承認をするだけのつもりだったのに
ついついメッセージボードを見て時間を使ってしまって・・・
というエピソードを紹介しながら、人の行動を促すデザインマントラとして
"Put hot triggers in the path of motivated people "
を紹介。(ちなみにプレゼン中に何回も何回も何回も出てきます。)
人の行動を促す公式として、B=MATを提唱してました。
それぞれ、Behavior、Motivation、Ability、Triggerです。
そのうちどれがひとつが欠けても行動には結びつきません。
それぞれ簡単に要点だけご紹介。
・人のモチベーションになるものは
plesure/pain、hope/fear、social rejection/acceptance
・モチベーションがあって、トリガーがあっても不可能な行動はできない。
・能力が足りないとき、「訓練」によってではなく、「シンプル化」をするべき
→例えばサービスにメールをつけたけど誰も使わない!というときは、
ステップバイステップのチュートリアルを付けるよりは、メールの送り方を
シンプルにして、見つけやすくする
・"hot trigger"は人の行動をすぐに促すもの
→「ここをクリック」「今すぐ買う」は hot trigger だけど、
「100M先にうどん屋あり」は hot trigger では無い。
Session 1:News Search Optimization
最初のセッションはニュースサイトのSEO。
インハウスでSEOを担当する人達がプレゼンします。
ニュースサイトのSEOが特殊である要素のひとつが、
「キーワードが日々作られる」というところでしょうか。
ABCの担当者がプレゼンしていましたが、
ニュースはどちらかというとキーワードをドライブする
立場なので、予め決められたキーワードで対策するわけには
いかないのです。
また、ニュースサイトがそのトラフィックに大きな影響を
受けるのがリアルタイムサーチとニュースサーチ(Google newsなど)。
リアルタイムサーチは、まぁ、ほぼ twitter サーチなわけですが、
twitter でいかに言及されているのかが重要なファクターになり、
ニュースサーチでは記事のフレッシュネスや、News Sitemap、カテゴリ
分け、記事の地域やタイミングが重要になってきます。
何か気付きましたか?
そう、そのどちらもバックリンクは関係無いのです。
ソーシャルメディアでの言及、参照を Citation と言うそうですが、
このセッションを聞きながらバックリンク意外のファクターが
重要な領域はどれくらい増えるのだろうかと考えていました。
session2:Search, PR and the Social Butterfly
続いてのセッションは PR とソーシャルの活用。プレゼンしてたのが PR 側の人
ということもあり、あんまり SEO 側の TIPs はなかったですね。
ちょっと面白いデータがあったのでご紹介。
PR の視点から、何故インターネットを活用することが重要なのか?
それは、
ジャーナリストの 65% がネタ探しの為にソーシャルメディアを使い、
彼らの 52% が Twitter をし、100%が仕事をするときに Google を
使っているから。
この事実はもうひとりのプレゼンでも裏付けられていました。
Nordic eMarketing の Kristjan は幸運にもあるニュースがメジャーになっていく
過程をトラッキングする機会に恵まれたそうですが、それによれば
9:10 ニュースがアップされる
9:12 Google news にインデックスされる
9:29 Twitter 経由で初めての訪問者がくる
10:41 Googleニュースから初めての訪問者がくる
13:31 初めてのRSSの経由の訪問者がくる
この後、配信先のニュースサイトから多くの流入があり、その中には
ジャーナリストや当事者が含まれていた。
発想としては、「ジャーナリストがネットを使ってんだからそこにネタ置いとけ」
って感じですかね。
NewsRoomというサービスがこっちにはあるんですが、日本だと同等に信頼できる
NewsRoom系のサービスってあるんでしょうか?
Session3:Link Building in August of 2010 with Jim Boykin
このセッションは面白かったw
スポンサードセッションなんですが、Jim さんのプレゼンがとてもよかったです。
基本的にはリンクビルディングの話なのですが、この人のカバー範囲が限りなく
グレーってか過去は黒かっただろという雰囲気がプンプンw
セッションの初めに「SEO の人?」みたいなこと言って手を上げてもらうことは
結構あるのですが、この人は「Google の人はいないよね?みんな言わないでね」
みたいなこと言ってました。
いくつかのトピックを紹介。
・ペイドリンクを買うことはリスクを犯すこと。ペナルティーの確率は少ないかもしれないが、
確かにペナルティーを受けるサイトはあるし、常に起こっていること。
・一方で、ペイドリンクを諦めるということは、ビッグワードを諦めるということ。
ビッグワードの上位は明らかにリンクを買っている。
・安全にリンクを買う方法なんて無い。
・リンクベイトはブログやソーシャルメディアからリンクを集めることだけど、
それだけにリンク元のドメインエイジは若い。その上、ブログはフロー情報なので
最初はトップページにあったリンクも次第に配下に追いやられていく。
・だから、俺がすすめるのは「Link bait」ではなくて「Trust bait」。
・Trust Bait はターゲットになるサイトを見定めて、コンテンツを造り、
リンクを貼ってもらう。ドメインエイジは古いし、いっぱいリンクを持ってるサイト
だしいいことだらけ。
Session4:B2B Marketing Tips
いやー、ぶっちゃけこのセッションはタイトルと中身が違いましたw
でもランディングページの話が面白かったのでひとつ事例をご紹介。
ホワイトペーパーダウンロードをしてもらってリードを集めるような
戦略というのはよく有りますが、そのコンバージョンを 84% 増やし、
直帰率を 48% 下げたというテクニック。
それは、ホワイトペーパーダウンロードをしてもらう前に、
その企業(実際には病院向けだったのですが)に向けて質問をし、
それにあったホワイトペーパーを提示するというもの。
例えば、大人数なのか?とか、そういうことです。
Session5:How to Become a Link Magnet
本日最後は SEOmoz の Rand と session3 でも見た Jim が共演する
リンクマグネットの話。
リンクマグネットはリンクベイトとちょっと違う。
リンクベイトは釣り。人が興味ありそうなコンテンツでリンクを集める。
リンクマグネットは人がリンクすることに対してインセンティブがある。
もちろん、それは金銭的なものではなく。
ちなみに Rand はこんな人。めっちゃ男前です。
リンクマグネットの例としていくつかの企業が紹介されていました。
Vimeo:http://vimeo.com/
動画共有サイト。embed コードに3つのリンクがある。
ちなみに YouTube の embed コードってテキストリンクがないんですよね。
SEOに詳しい人がいたら絶対にそんなコードにしなかったでしょうね。
リンクを含む形式にしていたら、さらにサーチトラフィックを集められたはず。
okcupid:http://www.okcupid.com/
このみのタイプ診断とかできたり。それをつぶやくようにできてます。
ちなみに私が好み診断をして出てきたタイプはこれ
techmeme:http://techmeme.com/
techmeme へのトラフィックによってランクが決まるリーダーボードを設置。
設置してすぐに200以上のサイトの登録がったそうです(つまり、200本のリンク!)
日本のランキングサイトとかも基本的にはこの形式ですよね。
ちなみに質疑応答で Jim がペイドリンクについてリスクがあるよと話していたときに、
ランドが横から「あれ?もしかして個人的に経験あるのかな?」って突っ込んでましたw
感想など
昨日から引き続きですが、コンテンツマーケティングの流れをかなり強く感じます。
ただ、PR、SEO、リンクビルダーでかなりアプローチは違っていて、
そこにビジネスチャンスが潜んでいる気がしてます。
手持ちの資産をリンクに変えていくってのはやっぱり有効な手段で、
それについては引き続き SEO 事業者が知恵を絞っていくんでしょう。