日本のヤフーはGoogleとも提携すべきでは?

公開日:2009/8/24
執筆者:大内 範行

個人的な見解です。気楽に読んでください。

マイクロソフトとヤフーの提携ということで、日本のヤフーがどうなるんだろう、というのが重要だな、といろいろ考えています。
多分、日本のヤフーもマイクロソフトのBingになる可能性は高いだろうと思います。
ただ、ちょっと違う手もある、と思います。

もし、日本のヤフーが、「あの契約」に縛られない立場だったら、今、わかっている事実は、ヤフーの検索エンジン(YST)が、ある日、使えなくなる。日本のヤフーは、新たな検索エンジンをここ数年で決めないといけない、ということだけです。

だったら、僕はすごく単純に、日本のヤフーは、Googleとマイクロソフトの両方と提携して、ユーザーが選べるようにしたらどうなのだろう、と考えました。
ヤフーは、もはや(というか始めから)検索サービスの会社ではありません。メディア企業です。検索エンジンは、いいサービスが提供できれば、どこでもいいはずです。
ヤフーは、検索エンジン会社から、送客分だけお金をもらいます。デフォルトは、よい契約条件を提示したところにします。
多分、最初はマイクロソフトのBingが意地でもデフォルトを確保するでしょう。
でも、サービスの実現イメージとしては、他の検索エンジンにラジオボタンやタブで、簡単に切り替えられるイメージです。

ユーザーは検索エンジンを自分で選べる。そうなると、僕は個人的にはうれしいです。検索はGoogleを使っていますが、ニュースやトピックスはヤフーを見ています。両者がくっつけば、サービスを切り替えなくてもよいので、楽になります。Bingと時々比較して検索できるなら、これもありがたいです。僕は一日の中で、ヤフーにいる時間が確実に、長くなるでしょう。

そもそも、米国のように「Google 対 MS+ヤフー連合軍」という対決の図式に入るのは、日本のヤフーにとって、実は損じゃないかと思います。ブランドイメージとして、マイナスなんじゃないか。
テレビやメディアの影響は、今でも結構ネットのアクセスに影響します。勝ち組、負け組の対決図式で長期間報道され、「米国ではGoogleが圧倒的に強い状況です」と毎回報道される。
日本のヤフーユーザーも、「あれ? 私が使っているのはひょっとして負け組? じゃあちょっとGoogleを使ってみようかな」とならないでしょうか?
つまり、日本ではメディア報道の影響で、じりじりとヤフーからGoogleに人が流れはじめるのかな、と思います。
そもそも、本業でもないのに、対決の一方に括られてしまうのは、日本のヤフーにとって、あまり健全な露出ではありません。

そうならないためには、この図式を超越した場所に、どかんと座ることです。
つまり、Google対マイクロソフトの戦争を、ぜひ日本のヤフーでお楽しみください。選ぶのは皆さん、ユーザーです、という形にしてしまいます。ヤフーは対決の場所を提供している。
これで、ヤフーの報道量も増えますが、ブランドイメージは下がりません。

これで、3社のメリットは出るでしょうか?
まずヤフーは、2社が契約条件を競ってくれれば、収益はよいですね。僕のようなGoogle愛好者も増やせますので、ユーザー数や滞在時間も増える。
次にGoogleはどうでしょうか? 単独で日本市場シェア1位を狙うより、ヤフーユーザーに使ってもらえる機会が増えた方が、いいでしょう。
さて、マイクロソフト。少なくともマイナスということにはなりません。
Googleとの競争が激しくなるほうが、米国に対して日本のプレゼンスが上がる、というメリットがあります。米国では、Googleに勝てませんが、日本のヤフーというリングの上でなら、Googleに勝てるかもしれない。日本のユーザーは、どちらを選ぶのか?
市場規模が縮小気味でも、日本市場が別の意味で注目を得られる。これは、マイクロソフトの日本法人にとって、自分たちのプレゼンスが上がる「好機」ではないでしょうか?

もちろん、Googleも負けていませんから、とりわけ、日本市場の対決に2社のエネルギーがそそがれるかもしれません。
ユーザーは、2大検索エンジンを比べて使えれば、とても便利ですが、さらに、小さくなる日本市場に二つの検索エンジンが力を注ぐ図式になれば、品質はどんどん高まるはずなので、ハッピーです。

こうなると、いっそ中国の検索エンジン、百度あたりも、まぜてみましょうか。
日本という小さな国で、Googleとマイクロソフト、中国が本気で競争をはじめるのです。すごく興味深い風景です。

この案のポイントは、、、
1)日本のヤフーの訪問や滞在が増え、MS、Googleも注目度が上がる
2)ユーザーの利便性が上がり、市場の注目度が高まり、品質の向上が期待できる
3)日本市場での検索サービスの多様性が増す

特に3番目の「多様性」は、大事にしたい点です。もちろん、SEO業界が活性化する、という利点もあるのですが、検索エンジンというコアなサービスの多様性が失われれば、僕たちの生活にも、きっと影響が出てくるはずです。

個人的な妄想の域を出ませんし、実現の可能性は限りなく少ないでしょうが、こうなってくれればよいな、と思うのですが、、、

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