私は最近、メインで使う検索エンジンをGoogleからYahoo!に切り替えました。Googleには、もう十分、私の個人情報を提供してきました。私が検索エンジンを切り替えるに至った理由を、これからお話しましょう。

■どうでもいい事から心の奥深くまで、あなたのすべてをGoogleが握っている

私のようにオンライン上で過ごす時間が長い人は、毎日大量の個人情報をインターネットに流しています。Googleだけでも、一体どれくらいの情報量になると思います?

[ GinaのGoogle利用状況 ]

Gmail → プライベートアドレスを約3年使用

Google Calendar → 年間スケジュール・イベントの管理

Google Voice → 電話とボイスメールの利用

Google Docs → ドキュメントとスプレッドシートを見る

Google Reader → Webページやフィードのチェック

Google → 毎日いつでも何でも検索

この中でも、検索ワードとして入力する言葉が、一番の個人情報と言っていいかもしれないです。

 メールを書いたり、カレンダーにイベントを入れたり、ボイスメールを使ったりする時は、人目を意識するので、何となく自然にフィルターをかけていると思います。でも、検索ワードはどうですか?検索エンジン相手に飾る必要も無いですから、自分の本当の思いや、すごく個人的な問題を、そのままダイレクトに検索ワードとして入力しているんじゃないでしょうか。例えば、膨らんでしまった借金のことや、手っ取り早く離婚する方法なんて、友だちにはメールで聞けなくても、Googleでは検索しますよね。

つまりGoogleは、メールも、カレンダーも、RSSフィードも、その上検索ワードまでも、握っているという訳で、自分という人間が完全に丸裸になっちゃってる訳です(余談ですが、だからこそどんな広告に興味があるかも分かっちゃう訳ですね〜)。

ここまで読んで「怖っ...!」と思った人は、私のようにGoogle離れする時ですよ。正直、今でも思わず「Googl...っと違った〜」なんて時もあります。でも、今まで使ってみて、Yahoo!の検索機能や検索結果のクオリティは、Googleとほとんど変わらないと思います。

■Yahoo!の検索結果はGoogleとほとんど変わらない

GoogleからYahoo!に切り替えて丸々1週間、Yahoo!もGoogleとほとんど変わらない機能を提供しているのが分かりました。Yahoo!の方が良いものもいくつかありました。検索結果だって、10回中9回はYahoo!の方が良かったくらいですよ。両者の細かい違いを上げていきますので、見てみてください。

■Yahoo!のココが○

Yahoo!は、Googleの後を追いかけていると思われがちですが、Googleには無い機能、Google版よりも優れている機能もいくつかあるんですよ。

○:Open Shortcuts

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私は検索ワードジャンキーなので、Yahoo! Searchの中で一番のお気に入りは「Open Shortcuts」です。これは、しょっちゅう検索するキーワードを登録することができるのです。例えば、私はライフハッカーのアーカイブ記事をよく検索するので、検索キーワード「!lh」をOpen Shortcutsに登録します。Firefoxのキーワードブックマークも同様の機能ですが、Yahoo!のOpen Shortcutsの素晴らしいところは、どんなブラウザでも、どんなパソコンでも、ログインさえしていれば使えるというところです。

Open Shortcutsの詳しい使い方についてはこちらをご覧ください。

○:音楽が視聴できる検索結果

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アーティスト名で検索した場合、検索結果に曲が表示され、Playボタンを押せばそのまま曲を聴くこともできるのです。この検索結果で視聴できる機能は、「Rhapsody」との提携から実現したようです。すべての曲が視聴できる訳では無いですし、1カ月に視聴できる曲の数も限られていますが、アーティスト名で検索したら曲まで聴けちゃうなんて、かなり便利ですよね。

○:Search Assist

Googleが「Google Suggest」なら、Yahoo!は「Search Assist」です。ご存知の通り、途中まで入力した検索ワードから予測して、ドロップダウンで検索ワードを表示してくれる機能です。Google Suggestは、検索ワードを予測して出してくれるだけですよね。でも、Search Assistは更に深堀りした機能があるのです。

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これは「Explore related concepts」といって、予測した検索ワードに関連する検索ワードまで出してくれるのです。例えば画像のように、「American Idol Ad」まで入力した時、検索ワードが「American Idol Adam Lambert」だった場合は、その予測だけでなくそれに関連する「Kris Allen」 や「パフォーマンス」「Top 7」といった言葉まで、表示してくれるのです。


■Yahoo!のココが×

Open Shortcutsも、検索結果で音楽が聴けるところも、Search Assistもほんとに良い機能です。ただ、Yahoo!の検索結果はGoogleとほとんど変わらないと言いつつも、やっぱりGoogleの方が一枚上手だなと感じることがありました。

×:検索ワード"Things OS X"の場合

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Things」というのはMacのソフトなのですが、Googleでは検索結果の最初に出てくるのに、Yahoo!では出てきませんyahoo.comだと最上位に出るようになった模様です)。

×:検索ワード"Nati's San Diego"の場合

Googleは、これが私の大好きなメキシカンレストランだと一発で分かってくれたのですが、Yahoo!は"Nate's"じゃないですか?なんて聞いてきました。ブ〜

×:検索ワード"Dan Choi"の場合

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Googleでは、「Rachel Maddow show」でのDan ChoiのインタビューのYouTubeを一番上に出してくれたが、Yahoo!では、Dan Choiについてのニュース全般が一番上で、YouTubeの映像は出てきませんでした。

×:検索ワード"the biggest loser winner"の場合

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これについては、Google よりも写真付きで出してくれたYahoo!に軍配が上がりました。

全体的にYahoo!で検索しても、求めている検索結果はきちんと出ましたよ。ただ、この記事を書くために、違いを確認するためにGoogleでも検索してみたというだけです。

■それでも不安は消えぬもの

検索エンジンというのは、ユーザーの嗜好("思考"でもいいかも)をより完璧に把握するために、できるだけ長い間ユーザーのログを保持しようとするもの。ところが偶然にも、去年の12月の「ars technica」の記事によると、Yahoo!は検索ログの保有期間が90日間で、メジャーな検索エンジンの中では一番短いのだそうです。Googleの保有期間は9ヶ月、Microsoftが18カ月なので、Yahoo!がいかにチャレンジングなことをやっているか分かりますね。Yahoo!のアカウントにログインして検索した情報も、クリックしたリンクも、IPアドレスも、全部90日経ったら消してくれるのです。何度も言いますが、Google はその3倍、Microsoftはその6倍の期間、私たちの個人情報を持っているのです。Yahoo!から個人情報が漏れる可能性は、他の検索エンジンから漏れるよりも低いのは明らかですよね。

大量の個人情報を提供しているからこそ、毎日のWebライフを快適に便利に楽しむことができるのだ、ということは分かっています。勘違いして欲しくないのは、Googleが他の会社に比べてすごく悪いことをしているかというと、そんなことは全くありません。事実、Yahoo!に切り替えた私は、すでにかなりの量の個人情報(Flickrにある友だちや家族の写真まで)Yahoo!に渡している訳ですから。ただ、私が毎日Web上で提供している個人情報のほとんどを、一つの会社が独占的に持つようなことは、無くなるといいなと思ったのです。

あなたはGoogle派ですか?使う検索エンジンを時々変えることについて、どう思いますか? 自分のプライバシーを守るために、どのようにインターネットを使いますか?ぜひご意見お聞かせください。

Gina Trapani原文/訳:的野裕子)

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情報化時代のプライバシー研究


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