リンクシェア・ジャパンは同日に社長交代を発表。左は前社長となる花崎茂晴氏、右は新社長の津田圭吾氏
リンクシェア・ジャパンは同日に社長交代を発表。左は前社長となる花崎茂晴氏、右は新社長の津田圭吾氏
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アフィリエイト経由の流通総額を商品カテゴリー別に見ると、パソコン系の落ち込みが目立つ
アフィリエイト経由の流通総額を商品カテゴリー別に見ると、パソコン系の落ち込みが目立つ
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ポイント還元系サイト経由のアフィリエイト流通額比率が大きく伸びている
ポイント還元系サイト経由のアフィリエイト流通額比率が大きく伸びている
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 アフィリエイト・サービス・プロバイダー(ASP)大手のリンクシェア・ジャパン(東京都千代田区)は2009年4月24日、2008年度のアフィリエイト経由の流通総額が前年度比5%増の920億円になったと発表した。商品分類別で見ると「パソコン」分野の流通額が30%近く減少したことで、2007年度の同13%増より伸び率は低下した。一方、ケータイによるアフィリエイトは同2.2倍の約80億円と大きく伸びた。

 商品分類別で見ると、「チケット・娯楽」「本・CD・DVD」「美容健康」の流通額は同50%以上の大幅な伸び。同日に開催した記者説明会でリンクシェア・ジャパン代表取締役社長の花崎茂晴氏は、「パソコン分野はクライアントの1社が民事再生を申請したため、市場全体以上に落ち込んだ」と説明。パソコン分野を除くと2007年度並の24%増だったという。

 アフィリエイトサイトの種類で見ると、流通総額のうちクレジットカード会社や航空会社などが運営するポイント還元サイト「還元系」経由の比率が、2007年度の35%から46%へと11ポイント増。アフィリエイト普及当初に中心だった、検索エンジンの自然検索結果から誘導する「SEO系」アフィリエイトサイト(11%→8%)や、検索連動型広告で誘導する「SEM系」アフィリエイトサイト(8%→5%)の比率は年々低下している。

 ポイント還元サイトの伸長で、ほかのアフィリエイトサイトはECサイトに軽視されそうだが、花崎社長は否定する。「広告主の期待値が変わっており、販売額と同時に(アフィリエイトサイトから送客されたユーザーのうち)新規顧客の数、率も重視する傾向にある」(花崎氏)ため、すみ分けができるとしている。還元系は販売額、新規の数は多いが、新規の比率は低い。一方、「検索系・ショッピング検索系」「SEM系」「SEO系」「個人系」は新規比率が高いという。

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