SEOの方法はそんなにコロコロ変わるのか?

公開日:2009/1/28
執筆者:a1

サイト運営者にとってSEOの技術論を考えることはそんなに大切なのか?

以下はやや抽象的な話になるのだが、例えばYSTでの変動があると「今度は外部要因が重視されるようになった。」とかはよく言われることである。

確かにニュースや地図・動画等がSERPsに加えられるようになるとそれに対応したコンテンツがあるのであればそこに表示される工夫をすることは必要であろう。こうした点に関してはここでは措いておく。

今なおWebの中心として圧倒的な情報量を保っているのは旧来からあるHTML等で作成されたサイト群であることに変わりはない。

又それらでこそ発信しやすい情報が多いことも今後も変わることはないであろうし、それらの情報のうち価値のあるものが安定してSERPsの上位に表示される方法論の根幹も変わることはないのではないだろうか。

さて、そのHTML等で構成されたサイトのSEOにおいては技術的な面から例えば「中古ドメインは未だに有効である」とか「リンクバイはリスクがある」果ては「display:noneはスパム判定される」など迷信的なものも多く見られる。

一部は公式な見解が検索エンジン側から提供され肯定・否定されはしているが、それでも未だにそれらを信じている(あるいは信じない)人間がいることも確かである。

だが、そうした中でもノンスパムで安定して上位を保ち続けるサイトが存在することも事実であり、これらのサイト群がどのようなSEO的な要素を含むサイト運営を行っているのかを研究することは大切であろうと考える。

まあ一部に検索エンジン側が否定的な方法ととりつつ上位表示されている現実が、多くのサイト運営者に何らかの抜け穴的な技術の存在をあたかも真実であると信じさせる要因になっていることも確かではあるし、各検索エンジンにそれらを適切に排除する努力が求められることも永遠に続くテーマであろうことも確かなのだが。

Web上の検索においてGoogleの登場以前と以後で画期的に違うことは外部要因(リンク)による評価が加わったことであり、これは(人為的な操作が無ければという前提で)リンクという投票が多いサイトほど価値のある情報を提供しているはずであるという評価方法の追加である。

現在の検索エンジンはその要素を重視しておりこの根幹を変えることは理論そのものを変えるということに等しくそうなることはまず無いであろう。

現在行われていることの一つは人為的な操作の炙り出しであり、そうしたテクニックによって現在上位表示されているものもいずれは消え、なお上位表示され続けようとすれば新しいテクニックの開発導入に迫られ続けるだけのことである。

ルールの決定者が検索エンジン側である以上これほど不利でかつ消耗的なゲームは無いのであるからそうしたゲームに陥らないことあるいは脱却を早期に図ることがサイト運営者には求められるであろう。

要は自然とリンクが増えるようなサイトの作成・運営を行うことこそ外部要因対策なのである。

外部要因対策に関してありがちな精神主義的記述となったので内部要因対策については多少技術的な記述も加えてみよう。

内部要因対策の初歩としてHTMLとJavaScriptやCSSの完全な分離やストリクトなHTML記述を挙げるSEO関係者は多い。しかし、全くそのような必要は無いとあえて言っておく。

このことは例えばGoogleで何らかの検索を行った時にYahoo!の各種サービスが上位によく表示されることからも言えるであろう。

Yahoo!各種サービスのソースを見ればJavaScriptのソースは内部にも存在しているしLint等の採点をみれば「がんばりましょう」辺りがせいぜいである。

技術的な側面でもっと大切なものは他にある。

それはエラー表示の出ないJavaScriptの記述であり、可能な限りノンハックでシンプルに書かれかつ様々なブラウザで崩れることの無いCSSであるということであり、そのために必要であればHTML内にそれらを記述することも全然問題ないのである。

完全ではないにせよ検索エンジンはJavaScriptやCSSを読みかつ解析していることは既知の事実である。その完全ではないことがまずは問題であるのだが、それ以前にユーザからのサイトへの信頼を得る上での問題として考えておくべきことがあるはずである。

JavaScriptに絞って話を進めるが、例えばIE7では些細な問題でエラー表示が出る。
例えばリスト表を見せる時に視認性を上げるため行ごとに交互に背景色を変えるとしてその際For文を使うとどうなるか。ページあたりのリスト行が一定で空白にも同様の処理をするという場合には問題ない。

しかし、リスト行が不定あるいは空白は除外するとするならば、for(i=1;i<=n;i++)のnは予め規定しておかなければ、動作には問題ないがエラー表示が出る。これは外部化しようがしまいが同じことである。

ユーザ(特に方法によらずサイトを作成するような中級以上のユーザ)がエラー表示の出るようなサイトを好んでブックマークやリンクするだろうか?

こうしたことは他のSEO関連のサイトでも言われたことは無いはずである、それどころかSEO関連のサイトでもそうしたエラー表示を平気で出しているサイトは沢山存在する。

JavaScriptに限らずそうした(精神論に戻ってしまうが)ユーザの支持を受け易くする配慮も欠いたままのSEO技術論は私には疑問符が付く。

必然的なリンクの価値は下がることは無いだろう

先ず必然的なリンクとは、そのリンクを発するサイトの情報を補完したりする上で必要なリンクであり、発リンク側のページも被リンク側のページもユーザにとって価値のある情報であるものである場合のリンクと規定しておく。

こうしたリンクの価値は今後も相当長期にわたって価値を持ち続けるであろう。

なぜならそこには不特定多数を代表する特定多数の発リンク側サイトの被リンク側サイトへの支持があるからであり、それに代わる新たな評価方法は当分は出ないであろうからである。

発リンクの価値を検索エンジンが認識するためには発リンクしているページの存在が検索エンジンに認識されなければならない。

Webとはその無限の連鎖であり人為的なリンク群には自然発生的なリンクには無い綻びのようなものが必ず存在する。

これを炙り出す方法論は各検索エンジンによって違うが圧倒的なデータ量とルール決定権を持っている検索エンジンに勝る技術を持つことは不可能であると考えた方が良い。

また検索エンジンによってその精度に差があることも確かではあるが、これらも場合によっては簡単にその差が埋まることもあるであろう。

例えばネストアンカー(具体的方法は記述しないが判る人も多いかもしれない)と私が呼ぶスパムもYSTは未だに対応していないようであるがGoogleには効果が無い。

しかしこれは簡単に解消できる問題であり、他の問題でもちょっとした変更で検索エンジンが対応できるものは多い。

リンク評価に代わる方法も当分は出てこないだろう。

最近Googleが追加したという「Preferred sites」なる機能などをとっても、個々のユーザへの適用は出来てもそれを一般の検索結果に反映するためには相当な試行錯誤が必要なはずである。

もしこれが今一般の検索結果に反映されるとしたら、ざっと考えただけでも人為的に順位に影響を与えることは簡単だからであり、かつその操作を炙り出してペナルティを加えることは不可能、又その発信情報の質とは無関係に人的・資金的に力のある者ほどそれらを行いやすいからである。

特定多数に欠点があるからと言って不特定多数がそれを克服できると考えるのは夢想である。

それにもまして不特定多数であるからこその欠点の方がより大きいと私は考える。

不特定多数のデータを集めることでユーザに信頼されているサイトを判別できるなどという夢想はGoogleも端からしていないであろうが。

必然的なリンクを自然に集めるために

行き着くところ「良いコンテンツを作ることが最も最良のSEOである。」とはよく言われることである。

それは内部要因として先ずユーザに安心感や満足感を与えるということであり、先に挙げたJavaScriptのエラー表示のように「ちゃんと動くから、まっいいか。」などという妥協をしないことであり、SEOを優先するというような本末転倒をしないということである。

外部要因も無駄に範囲を広げるよりも自身の実力に見合った情報を発信することで得られる範囲のリンクを得る努力をすることが重要なのである。

「SEO」というキーワードは他のよく調査に利用されるビッグキーワードとは大きく性格を異にするキーワードである。

SERPsの上位に表示されたい者が必ず行き着くキーワードであり、それを実現しますというSEO業者にとっては是が非でも上位表示したいという点でこのキーワード(あるいはそれと絡めて関係するキーワード)に対してSEOを行っているはずである。

それに対して「映画」「靴」「エステ」「結婚」「アイドル」「雑貨」「自動車」「占い」「旅行」「ニュース」「インテリア」「グルメ」「素材」「ゲーム」「動画」「病院」「壁紙」「サッカー」「ブログ」「携帯」等のビッグキーワードで上位表示されるサイトの多くはこれらのキーワードで上位表示されることを望んでSEOを行っているわけではなく、他の望ましいキーワードでのSEOの結果あるいはその実力として上位に表示されているにすぎない。

しかし、「SEO OR ○○」(○○は先に挙げたキーワード)とした時にSEO関連だけが上位に表示されるようなSERPsは存在しない。それがSEOの限界なのである。

そうしたことにばかり気を取られるよりもリアルの世界でも自信を持って勧められる情報に絞った発信を行うことで得られる支持をまず大切にし、範囲を広げたければリアルの世界でもそれに見合った実力を備えてから妥協の無いサイト作りをすれば良いのではないかと考える。

リンクを集める努力も無駄とは言わないが、それは関連のあるサイトからのもの中心であり、特に範囲が広いのであればトップページ相互とかではなく関連あるページからリンクを受けることが重要なのである。

そしてこれはSEO業者ではなく自身でなければできないことでもあり、そこにリアルの世界の自分の実力が現れるのである。

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