知って得するドメイン名のちょっといい話

思い立ったときがビジネスチャンス/知って得するドメイン名のちょっといい話 #4

少し古い話だが、2006年5月に「会社法」という法律が施行された。
JPRS通信 知って得するドメイン名のちょっといい話

少し古い話だが、2006年5月に「会社法」という法律が施行された。会社に関する法律が再編されたもので、起業の促進、柔軟な組織設計と運用などが盛り込まれ、ビジネスの活性化が期待されている。さて、ドメイン名との関係は?

ビジネスを立ち上げるということ

本誌の読者には、ビジネスを行っている、もしくはこれからビジネスを立ち上げようと思っている方が多くいることと思います。ビジネスを行ううえでは、「個人」という立場よりも「会社」という組織を備えていたほうが何かとやりやすいのですが、今まではこの会社を立ち上げる、というのがなかなか大変でした。資本金を用意したり、取締役を揃えたり…。アイデアを実現に移してすぐにでもビジネスを始めたいのに、会社を作るというところで立ち止まっているわけにはいきません。

新しい会社法では、有限会社がなくなって株式会社という組織形態に統合されるとともに、株式会社の最低資本金制限がなくなり、取締役や監査役などの組織体制も会社が必要とする規模と機能に応じて自由に設計することができるようになりました。ビジネスを行うために必要な組織を迅速に立ち上げることができるようになったのです。

会社法そのものを詳しく知りたい方は次のウェブサイトをご覧ください。

会社の名前とドメイン名

さて、いざ会社を設立するというところで悩むのが「会社の名前」です。社名は会社の顔であり看板であり、それ自体がビジネスをアピールする武器になります。

社名を考えるにあたって気になることの1つは、同じ社名の会社があるかどうか、ということですね。以前は同一法務局管内での類似商号が認められなかったために、登記手続をしてみたら似たような名前の会社が既に存在していたために違う社名を考えなければならなくなった、というようなことがありました。しかし、新しい会社法ではこの制限がなくなり、同じ商号(社名)の会社が既に存在していても、住所が異なっていれば登記できるようになりました。このため、自分が考えた会社の名前が、登記の際に変更を求められるという心配もあまりありません。

では、他社の社名を気にしなくてよいかと言えば、そうでもありません。同じ社名や似た社名を持つことによるユーザーの混乱は避けたいところですし、他社が商標として登録していれば、その利用は大幅に制限されてしまいます。

そしてもう1つ重要な観点。あらゆるビジネスにおいてインターネットは欠かすことのできない存在になっており、社名と併せてドメイン名がとても重要になります。ビジネスと直結し、わかりやすくアピール力のあるドメイン名が必要です。しかし、社名を決めてからドメイン名を登録しようと思ったら誰かに登録されていた、ということでは困りますね。社名を考えるときには、ドメイン名が登録できるかどうかということもWhois(注)などで確認しながら検討することが大切です。図1はJPドメイン名のWhoisサービスサイトです。

(注)Whois:ドメイン名の登録情報などを検索できるサービス

会社登記完了前のCO.JPドメイン名登録

ドメイン名は先着順の登録なので、いい名前を思いついたら早く登録するほうがよいですね。会社の名前が確定するのは登記が完了した時点ですが、先に述べたとおり法務局から変更を求められる心配が減ったため、ドメイン名も登記の完了を待たずに、社名を考えた時点で登録しておき、会社設立の手続と並行して、インターネット上でのビジネス活動の準備を進められるようになりました。

ところで、日本の会社にとってのスタンダードであるCO.JPドメイン名は、会社の登記が完了していることがドメイン名の登録条件となっています。ということは、やはり登記完了まで待たなければCO.JPドメイン名は登録できないのでしょうか? 会社の設立完了後、すぐにインターネット上での活動も始めたい、という場合にはCO.JPドメイン名は使えないのでしょうか?

そんなことはありません。実は、登記前であってもCO.JPドメイン名を登録することができます。「仮登録」という制度があり、6か月以内に会社設立を予定している場合には、CO.JPドメイン名を登録することができます(図2)。もちろん、普通に運用することができます。会社の設立を考え始めたら、まずは仮登録でCO.JPドメイン名を登録し、会社のスタートに向けた準備を進めましょう。

図02
図2 CO.JPドメイン名の仮登録

万が一、会社名を変えなければならなくなったら? その時は、ドメイン名も変えなければならないかもしれません。CO.JPドメイン名の場合は、ドメイン名変更の手続を行うことになります。

会社にとって重要なドメイン名。間違いなく手続を行うためにも、ドメイン名を扱っているレンタルサーバー事業者などの指定事業者やJPRSにぜひ事前にご相談ください。

すぐに使えるドメイン名

新しいビジネスのために「今すぐ独自ドメイン名を使ったウェブサイトの開設がしたい!」ということもあります。このためには、

  1. すぐに登録できるドメイン名
  2. すぐに使い始められるドメイン名

が必要です。JPドメイン名であれば、汎用JPドメイン名が「すぐに登録できる」ドメイン名です。ウェブ上での手続だけで登録手続が完了できる指定事業者も多く、思い立ったらすぐに登録が可能です。CO.JPドメイン名の場合には、登録手続後に会社であることを確認する時間がかかりますが、それでもほとんどの場合は数日でドメイン名を登録することができます。

また、「すぐに使い始められる」という要望に応えるため、JPRSでは2006年4月から、JP DNSの更新間隔を、これまでの1日1回から、15分に1回へと大幅に短縮しました。これまでの1日1回の更新では、ドメイン名を登録しても翌朝にならなければ利用可能とならなかったのですが、これからはスピーディーなドメイン名の利用が可能となります(図3)。

具体的には、汎用JPドメイン名もCO.JPドメイン名も、すべてのJPドメイン名は、利用開始に必要なDNSの設定情報をJPRSに登録してから15分ほどでインターネット上のアドレスとして利用可能になる、ということです。

これまでも独自ドメイン名を使わないサービスでは、申し込み後にすぐ使えるというサービスはいろいろとありましたが、独自ドメイン名を使ったホスティングなどのサービスでも、申し込み後からすぐ使えるとなれば、新しい商品やサービスなど、ビジネスのアイデアをすぐに行動に移すことができるようになりますね。

JPRSからのお願い

会社法の施行に伴い、有限会社から株式会社への組織変更など、組織体制の変更を検討している会社の方も多いことと思います。ドメイン名は、誰がそのドメイン名を登録しているのか、という情報を常に正しく管理することがトラブルを防ぐためにも大切です。JPドメイン名をご登録いただいている方で組織変更などを行われる場合には、指定事業者に手続等を確認のうえ、JPRSに登録している情報の更新手続をお願いします。

※この記事は、レンタルサーバー完全ガイドの発行する雑誌『レンタルサーバー完全ガイドVol.5』(2006年5月31日発売)に掲載されたものを再編集して掲載しているものです。

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