Web2.0が何なのか、何だったのか総括もせずにWeb3.0について話をしていたら鬼に笑われそうですが、Web3.0とSEOについてタイトルがキャッチーだったのでピックアップ。

元記事:完璧なSEO対策をやっても上位表示されない時代がweb3.0。個人サイトがソーシャル化しなければいけない3つの理由。より

といっても「絶対」とは言い切れないのですが、個人サイトがソーシャル化しなければいけない理由をいくつか考えてみたのです。

  1. mixiのオープン化は今のところないが、ヤフーなどソーシャルサイトの構築を目指しており、その数は凄まじい勢いでコンテンツが増えていく。よって検索結果も莫大な数になる可能性がある。
  2. 1番のようなことが起これば当然検索順位の争いが激しくなり、ますます上位表示が難しくなる時代が到来する。
  3. サイトボリュームなどの影響でソーシャルサイトは検索上位のほとんどを占める可能性がある(ウィキペディアのように)
といったことが起きてくる可能性があります。もし仮に上記のようなことが起これば個人サイトは以下のパターンで生き残りをかけないといけません。
  1. 古いドメインで運営していく。今日から始める人は一生そのドメインで運営する計画を立てる必要が出てくる。
  2. ソーシャルでもできない個性的なコンテンツを提供する必要性が出てくる。
  3. ホームページやブログは第2階層でソーシャルサイトを構築したり掲示板を反映させる必要性が出てくる。
といったことが今後起きてくるのではないかと思います。

ここでいうソーシャルサイトやWeb3.0が具体的に何を指しているのか、何を想定しているのかは分かりませんし、同意も出来ません。しかし、今後のWebや検索について考えることは重要だと思います。そこで、Webと検索の今後について個人的な考えをまとめます。

まずWebに関して、ここ数年で変わってきたことは様々な方法で情報が発信できるようになってきたことです。それはBlogもそうですし、Twitterのようなマイクロブログも、YouTubeのような動画投稿サイトも、掲示板も、オンラインブックマークも様々な形で情報(コンテンツ)を発信することが出来るようになりました。そうして大量に発信された情報(コンテンツ)をコンテンツシンジケーションやマッシュアップと呼ばれる形でコミュニティサイトやプロフィールサイトでまとめることが可能になりました。またソーシャルネットワークやソーシャルブックマークなどでは、複数の人のコンテンツまとめることで「集合知」を作り上げることが出来ました。

で、検索に関して考えると、単なるコンテンツのソース解析を基にした検索からPageRankに代表されるようなコンテンツ同士の繋がりを基にした検索へ変貌を遂げ、更に単なるコンテンツに含まれるキーワードだけでなく、そのコンテンツが持っているトピックを基にした検索になってきています。また、Webだけでなく動画やニュース、Blogといった複数のコンテンツに対応するユニバーサル検索も始まってきています。

ここで取り上げた記事で注目しているのは、この「集合知」を現したサイトがサイトボリュームや含んでいるキーワードの量、サイト内でのリンク構成、外部サイトからの参照などを考えると検索結果で中心的な存在になるというのは分かります。しかし、「集合知」があくまでもコンテンツシンジケーションの結果であれば、最終的にはオリジナルが上位に来るようになると信じています(笑。

しかしWeb3.0では検索はもっと大きく変わると思います。具体的には形で現れているものとしてはGoogleの「パーソナライズド検索」です。これはその人の検索履歴やWeb閲覧履歴からその人の興味のあるトピックを推定し、そのトピックに関する情報を検索結果の順位決定において加味しています。つまり、その人が良く見ているページやその内容は、その人にとって有益だという前提に立った検索アルゴリズムです。今後はこの手法が拡大されて適用されていくのではないでしょうか。つまり、今は個人単位で適用されている「パーソナライズド検索」で得られたデータを集めて「集合知」として活用するということです。具体的には、あるキーワードに対して通常の順位では下のほうにあるコンテンツでも、多くの人がクリックした場合は有益である可能性が高いとして他の人の検索結果においても順位決定において優位に働くということです。

更にSERPからの行動履歴だけでなくWeb全体の行動履歴を基にすることができれば、その行動から有益なコンテンツかどうかの判断を行うことが出来ます。具体的には、PVが高いコンテンツは注目度が高いことが分かりますし、いくらPVが高くてもページ滞在時間が短いページは有益なコンテンツを含んでいないことが分かります。このようなユーザーの実際の行動によってコンテンツを評価するという手法が増えてくるのではないでしょうか。今まではクローラという機械が自動的に判定していたものだけでなく、実際に人が目で見て判断したものも活用していくということ、確かに有効であるのは間違いありません。例えばYahooでリンクスパムとして報告されたものが順位決定で加味するのもその1つだと思います。(参考記事:「リンクスパムとして報告されたURLのほぼすべてが『スパム』」に補足します

また、ソーシャルグラフなどを活用することで単に大勢を合わせた集合知ではなく、ユーザーと同じ属性のユーザーだけの集合知を使うことで、より精度の高い検索を展開できると思います。このようにユーザーサイドで築かれた情報を基にサジェストしたり、パーソナライズするのがWeb3.0と言えるのではないでしょうか。

では、そういった検索エンジン・検索アルゴリズムの今後の展開を踏まえて、どういった対策を取ればいいのかというと、今まではクローラという機械を相手に考えていたものを、実際にページを見ているユーザーを相手に考えてコンテンツを作るというだけだと思います。ターゲットユーザーを明確にし、ユーザーが求めている情報を分かりやすく、的確に伝えるコンテンツを作るということです。

つまり今まではページとページの繋がりを現すものは「リンク」であり、それはクローラが認識さえすれば人が実際にクリックをしようがしまいが関係ありませんでした。しかし、これからは実際に人がクリックしてページを遷移することがページとページの繋がりを示すものとなると考えれば、リンクも単に設置するだけでは不十分ということです。具体的には今まではクローラを相手にしていたので「こういったリンク」もリンクとしてクローラは認識しますが、人はリンクとは思えないのでクリックしないでしょう。そうすると、このページのつながりは無視されます。

Web3.0がここでの話の通りになるのであれば、これからのSEO対策はWebユーザビリティを高めることになるでしょうWeb製作において本来重要であり最も考えるべきことが、これからはSEOの観点からも必要になってくるということであり、ある意味、Web製作が本来の姿に戻ったとも言えます。と、ここまで書いておきながらWeb製作に携わってきたものとしては、そうあってほしいという願望が生み出した考えです。実際にそうなるかどうかは全く分かりませんので悪しからず。