SEOmoz の記事。
結論から言うとこういうのをあんまり真に受けちゃーいけない。

SEOmoz | The Disconnect in PPC vs. SEO Spending



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by Danard Vincente


■SEO にもっとお金をかけるべきの主張


引用の記事、ざっくり論点を要約すると、

SEMPO のデータ によれば、SEM市場 のうち、サイトリスティングのシェアは87%で
  SEOのシェアは11%(残りの数%はツール類とかです)

 ちなみに SEMPO は Search Engine Marketing Professional Organization の略。

②ところが、 Enquiro のアイトラッキングデータによればユーザーの100%が
 オーガニック検索を見るけれども、PPCは1位でも50%のユーザーがみるのみ。
 
 パーセンテージ出すと以下の通り。

(順位) (SEO) (PPC)
 Rank 1 – 100% vs 50%
 Rank 2 – 100% vs 40%
 Rank 3 – 100% vs 30%
 Rank 4 – 85% vs 20%
 Rank 5 – 60% vs 10%

 SEOの方がユーザーが見てるよね!

③で、Comscore のデータを見ててもサイトリスティング広告のクリックを全部足しても
 22%以下のトラフィックしか得ていない。

④もっと SEO に予算かけるべき!


■どこに注意すべきか?


さて、印象だけ言ってしまうと、多分この記事は結論ありきでデータを集めた記事
であるはずです。すなわち、「SEOってもっとお金かけてもいいんじゃね?」というような。

その主張には賛成なのですが、やり方があんまり良くないですね。

実際、SEO と SEM 、両方1位になったとして SEO の方がトラフィック集められるじゃん!
という意見には賛成できなくもないですが、突っ込み所があります。

例えば、市場規模が大きくなるのには、商材のセールスのしやすさも関わってきます。
広告枠である PPC とコンサルティング主体の SEO では、これはどう考えても
PPC の方が売りやすいはずです。

売りやすいということは販売するプレイヤーが多いということであり、確率論的に
市場が大きくなる可能性がありますね。

または、対応できるニーズに関しても即効性のある PPC と SEO では違います。

お詫び広告を SEO でやるのは難しいですよね。
(一方で、既にアーカイブ化した事象に対しては、自社の主張をSEOで調査導線に乗せたほうが
 費用対効果という面で良い)


自説を補足するためにデータを使うというのはよくあることですが、
バランス良い視点を心掛けたいものです。