コンテンツグループを利用した行動フロー活用方法
2014年06月27日

今年、Google アナリティクスの新しい機能としてコンテンツグループがリリースされたことは記憶に新しいことかと思います。ですが、そのコンテンツグループで行動フローを活用できるようになったことはご存じでしょうか?
今回は、ひっそりとリリースされたコンテンツグループでのフロー活用方法について解説いたします。

  1. コンテンツグループとは
  2. いまいち使いきれない機能だった!?
  3. 行動フローでもコンテンツグループが利用可能に
  4. グループごとにより評価しやすくなる
  5. アクションに結びつけよう

コンテンツグループとは

コンテンツグループとは、それぞれのページ単位(またはURL単位)であるコンテンツをグルーピングし、1つのグループとして、数値を計測することができる機能です。

設定方法等は下記の過去記事を参照ください。
保存版!コンテンツグループ機能の設定方法と使い方|コラム アユダンテ株式会社

いまいち使いきれない機能だった!?

コンテンツグループのリリース時は、今までページ(またはURL)単位として計測されていた数値をまとめることはできましたが、そのまとめたグループはどこのグループからきてどこのグループに遷移したのか、つまり対象となる前後の行動までしか確認することができませんでした。
コンテンツをグルーピングできる機能自体は素晴らしいのですが、コンテンツグループごとの遷移をフローとして計測することができず、そうした機能をもったアクセス解析ツールをご利用の担当者にとっては、、いまいち使いきれない機能として感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか。

行動フローでもコンテンツグループが利用可能に

そんな中、この春、ひっそりと行動フローでもコンテンツグループが利用可能になりました。一部では望まれていた機能でしたが、公式リリース情報としてはUS版の公式ブログのみとなっています。

コンテンツグループを利用しているプロパティであれば、下記のように、フローの初期表示状態から既にグルーピングされていますが、コンテンツグループを利用していないプロパティだと今まで通りのフローが表示されます。

コンテンツグループ利用行動フロー図
コンテンツグループ利用プロパティの行動フロー初期表示
すでにコンテンツグループを利用しているプロパティの行動フロー初期表示
コンテンツグループ非利用プロパティの行動フロー初期表示
コンテンツグループを利用していないプロパティの行動フロー初期表示

グループごとにより評価しやすくなる

行動フローでは通常のレポートと同じように、セグメントも使用することが可能なため、ある条件ごとのページを大きな一塊のグループとして評価しやすくなった印象があります。

例えば、昨今ではユーザーにとって有益となる読み物コンテンツやお役立ちコンテンツを継続的にリリースして、確度の高い見込み顧客だけでなく、将来的に顧客となりそうな潜在層へもリーチしていくといった、コンテンツを利用した顧客獲得手段も存在します(とてもざっくりした説明ですが…)。

Googleアナリティクスで解析する際のシナリオとしては、オーガニック検索あるいはソーシャルメディア、どこかのサイトに貼られたリンク(referral)を介して、上記のようなコンテンツページへ流入。その後、同セッション内(または二回目以降のセッション)で商品を購入していたか、購入しなくても商品を比較検討する段階まで気持ちをシフトすることができたのかを計測することで、ライティングしたコンテンツの価値を評価しやすくなります。

実際に当コラムを掲載しているアユダンテのサイトで確認してみましょう。このサイトは、ECやBtoBのように商品販売やリーチ顧客獲得サイトではないため、下記のように見るべきページを置き換え、同セッション内でどれだけ会社について興味を引くことができたのかを確認してみます。

  • 読み物コンテンツやお役立ちコンテンツ
    →コラムページのグループ
  • 目標
    →スタッフ紹介、製品紹介、会社概要、事例紹介など会社に興味をもっていただいたと仮定することができるページグループ
  • セグメント
    →ランディングページにコラムページをあらわすURLにて指定。
    (ここでセグメントにもコンテンツグループを使用できると便利だと思うのですが…)
    ページへ流入する原因となったメディアに、organic、social、referralを設定。
条件設定画面

このセグメントにて、先程のコンテンツグループが反映された行動フローを確認すると以下のようになります。

セグメント利用の行動フロー

コラムというコンテンツの特性上、直帰される方が多い性質こそありますが、一部のセッションについてはその後もサイトにとどまり他のコンテンツを閲覧していただけていることがわかります。

特に注目する点としては、「Staff」、「Products」、「Company」、「Case」など、会社にていて興味を引くことができたと仮定するスタッフ紹介、製品紹介、会社概要、事例紹介のページへ遷移されていることです。

以下は、コンテンツグループを使用せずに同じセグメント条件での行動フローになります。

セグメント利用の行動フロー

コラムページへ流入した後の遷移を確認するという点でいえば、コンテンツグループを使用した行動フローの方が圧倒的にわかりやすいと言えます。

コンテンツグループを使用しない状態だと、コラムページにランディングしたこと、各コラムページは直帰が多いものの一定のセッション数は他コラムやサイト内の別ページに遷移しているのだなというところまでしか把握することができません。

アクションに結びつけよう

コンテンツグループを利用して「行動フローがわかりやすくなってよかったな」と感想を持つところで終わってしまっては意味がありません。分析後のアクションあっての解析です。

では、先程のフローを確認した上でどのようなアクションをとることができるでしょうか。

セグメント利用の行動フロー

注目する点としてあげられるのは、コラムページを閲覧した後に会社に興味を引くことができたとする方が存在することです。このような遷移をした方を将来的な見込み顧客と仮定し、Googleアナリティクスのデータを利用したリマーケティングで接触機会を持ち続けるといった手法も有効かもしれません。
また、そのような見込顧客として広告を配信する方の絶対数が少ないのであれば、コラムページ内の導線を見直し、製品情報や事例紹介などのサイト内ページへ回遊しやすくさせる施策も考えることができます。さらに、その施策前後において上記の行動フローを確認することで、回遊しやすくさせた施策の検証を行なうといったことも可能です。

今まではページごとに分割されてしまうことで見ることができなかった、大局的な視点でコンテンツページをグルーピングするとどのような分析が可能になるのか。幸いなことながら、コンテンツグループは5つのコンテンツグループ種類(ジャンル?)を作成することが可能です。分析後のアクションを考えて、様々なコンテンツグループを設定し、フローにて確認してみてはいかがでしょうか。