リリース前に確認すべきアナリティクス設定必須項目5+1個

こんにちは。久しぶりの投稿になりました。ナカムラです。

随分前に「備忘録の意味も含めてアナリティクス回りの事前設定項目まとめる!」とFBで宣言していながら長いこと放ったらかしてしまいごめんなさい。

書く前から長くて面倒な記事になると分かっているネタなので、今回は色々端折ってメモ書きみたいな感じで書いていきます。(手抜きとも言う)

まずはコンバージョンのポイントを確認

とりあえずそのサイトのコンバージョン(成果)となるユーザーの行動が何なのか?を考えて明確にしておきます。当たり前のようで、やってない人は本当にやってないのでチェック項目として。

ECサイトなら:商品購入、会員登録、商品詳細ページに30秒以上滞在 など
LPなら:本体サイトへの誘導、またはLP内での申し込み など
ブログなら:広告バナーをクリック、1ユーザーが3ページ以上見る など

ありがちなミスとしては、コーポレートサイトのCVRポイントを「お問い合わせフォームでのメール送信完了」だけにしか設定していない等。

メイン商材のページをある一定時間(もしくはページ数)読んでくれたなら、それは成果として設定しておいた方が後々のPDCAサイクル上注目データを確認しやすくなります。

なので、そういった抜けが発生しないように「このサイトにおける成果はユーザーが何をどうしてくれた時なのか?」を、改めてメモか何かに書きだしておきます。

アトリビューションを有効にしてコードを追加

Analyticsの便利機能として昨年末に開放された「拡張リンクアトリビューション機能」というやつがあるんですが、これが便利なので設定しておきます。

こいつを設定しておくと、例えば「トップページから【ページA】へ行くリンクが複数ある」ような場合(ほぼ全てのサイトがそうでしょうけど)に、それぞれのリンク箇所からどれくらいの人間が【ページA】へ移動したのか?が大まかに分かるようになります。

例えば・・・
・グローバルナビから【ページA】へ移動(200名 12%)
・コンテンツ内のバナーから【ページA】へ移動(100名 5%)
・サイドカラムのテキストリンクから【ページA】へ(50名 2%)

とまぁ、こんなデータが取れるようになるわけです。

Analyticsレポート内の[コンテンツ]⇒[ページ解析]の機能を拡張してくれるわけですね。(%は全体セッションに対する割合だったと思う)

具体的な設定方法

プロパティ情報設定欄に「拡張リンク アトリビューションを使用する」というチェックボックスがあるのでこれにチェックを入れておきます。

で、タグにちょっとだけ細工を加えます。が、以下ソースにある赤字の部分をなんと手動で追加しないといけません。ここだけなんかGoogleさんが不親切なので要注意です。

※UA-XXXXXX-Yは自分のアカウントコードと置き換えてくださいな。

<script type="text/javascript">
  var _gaq = _gaq || [];

  var pluginUrl = '//www.google-analytics.com/plugins/ga/inpage_linkid.js';
  _gaq.push(['_require', 'inpage_linkid', pluginUrl]);

  _gaq.push(['_setAccount', 'UA-XXXXXX-Y']);
  _gaq.push(['_trackPageview']);
  (function() {
    var ga = document.createElement('script'); ga.type = 'text/javascript'; ga.async = true;
    ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js';
    var s = document.getElementsByTagName('script')[0]; s.parentNode.insertBefore(ga, s);
  })();
</script>​

アナリティクスタグを外部ファイル化して設置

外部ファイル化すること自体に特に意味は無いんですが、運営していくとやれアフィリエイトコードだリマーケタグだとあれこれJSを埋め込まなければイケなくなてしまうので、コードがぐちゃぐちゃしてきます。

意外に知られていませんが、Analyticsのタグは外部ファイル化OKだったりするので、「ga.js」とか名前を付けてファイルを分けてしまって

<script src="js/ga.js"></script>

みたいな感じでサイト内に埋め込んであげるとクールです。まあ小ネタですね。

面倒だけどやっとかないと大変なイベント設定

デフォルト設定では計測できないものを計測するために、イベントトラッキングを設定しておきます。

名前だけ聞いてもなんのこっちゃかわかりませんが、要するにリンクに特定の変数を混ぜ込んで、外部サイトへのバナークリック数とか、動画の再生ボタンクリック数などを計測しちゃおうってもの。

最初に確認したコンバージョンポイントが広告のクリックだったり、別サイトへの誘導だったりする場合、確実に設定しないといけない部分になりますのでちゃっちゃとやってまいます。

実際の記載例

<a href="#LinkURL"onClick="pageTracker._trackEvent(‘Outbound Links', ‘Click', ‘Side Column');" >テキスト</a>

これで「サイドカラムにある外部サイトへのリンクをクリックした回数」みたいな意味になります。

微妙に分かりにくい構造の解説

_trackEvent(カテゴリー, アクション, ラベル, 値)
・カテゴリー(必須):Outbound LinksとかVideoとか
・アクション(必須):ClickとかPlayとか
・ラベル・・(任意):分かりやすさ重視。URLとかでもOK
・値・・・・(任意):広告1クリックあたり[10]とか設定しといてCVR計測に使ったりする

※原則英数字で設定。URLエンティティ化とかすれば2バイト文字も行けるっぽいけどあんま検証してません。

いちいち設定するのが面倒な人はこのjQueryで

一つ一つのクリック計測箇所にこのタグを仕込んでいくのが面倒!という場合、以下のjQueryライブラリをどうぞ。「web-d.navigater.info」の部分を自サイトのURLに置き換え、あとはjQueryを読み込むだけでOKです。

ページの中のアンカータグに反応して、強制的にイベントトラッキングタグを挿入するというナイスなやつです。

<script type="text/javascript">
jQuery(function() {
    /* click tracking google ana */
    jQuery("a").click(function(e) {
        var ahref = jQuery(this).attr('href');
        if (ahref.indexOf("
web-d.navigater.info") != -1 || ahref.indexOf("http") == -1 ) {
            _gaq.push(['_trackEvent', 'Inbound Links', 'Click', ahref]);
        }
        else {
            _gaq.push(['_trackEvent', 'Outbound Links', 'Click', ahref]);
        }
    });
});
</script>

こいつを使うと、すべてのリンクが(強制的に)こんな感じになります。

<a href="#LinkURL"onClick="pageTracker._trackEvent(‘Outbound Links', ‘Click', ‘LinkURL');" >テキスト</a>

便利です。便利すぎて笑えてきます。

ちなみに特定のディレクトリのみを指定することも可能なので「web-d.navigater.info/cat1」とかで設定しておけば、そのディレクトリ外に向いたリンクはすべて外部へのリンクとみなして計測可能です。

※詳しくはネタ元:ファンブログハックさん を参照

コンバージョンを実際に設定

用途に合わせてそれぞれ必ず設定します。で、必ずオプションで用意されている金額欄を埋めておく。

オプション金額の埋め方は「そのCVRが1件Web経由で取れると、金額にしていくらくらいの価値か」の想定感覚値でOKです。

コンバージョンページがある場合の設定

URLへのアクセス(前方一致)を選択
⇒ゴールフローの設定を必ず行う

単純に問い合わせ一件の価値で成果を判断するタイプの分かりやすい構造のサイトに最適。

ゴールフローは必ず設定しておいて『フォームまで来たのに途中で離脱した』とかってユーザーの動向をつかみやすいようにしておきましょう。

コンバージョン対象ページが特に無い場合

訪問滞在時間・訪問別ページビュー を選択
ゴールフロー設定はやんなくてもOK

PV一件あたりの単価で成果を計るメディアサイトなんかに最適なコンバージョン設定。

基本的には1PV=0.1円換算(媒体と総PV数によるけど)として、滞在時間の場合は30秒で1PV=0.1円換算とするケースが多いです。(動画サイトだったりするともうちょっと上がるかな?)

外部サイトへのリンクがコンバージョンとなる場合

イベント設定を選択(上記で設定したイベント変数を入れとく)
ゴールフローは設定できるならやったほうがイイ。

LPなど、バナーやリンクのクリック数で成果を計るタイプのサイトに使います。

外部サイトへのアクセスの流し込み自体が目的の場合とか、もしくはフォームが違うドメイン支配下にあってそこへの流し込み率を取りたい時とかに使ってあげると成果が見やすくなってGood。

ECの場合は専用タグをサンクスページに

ショッピングカート付きのいわゆるECサイトの場合、以下のタグをEC専用コンバージョンタグとしてサンクスページに埋め込む必要があります。

表記上赤くなっている部分をそのカートシステムが持っている変数に置き換えて使ってやってください。

まあ最近のECシステムはほとんど最初っからこれ入ってるけどね。

<script type="text/javascript">  var _gaq = _gaq || [];
 _gaq.push(['_setAccount', 'UA-XXXXXX-Y']); _gaq.push(['_trackPageview']); _gaq.push(['_addTrans',
 '<?= $OrderNo ?>',  '', 
 '<?= $DataAry["ProductTotalFee"] ?>', 
 '<?= $DataAry["Tax"] ?>', 
 '<?= $DataAry["DeliverFee"] ?>', 
 '<?= $DataAry["OrderAddress1"] ?>', 
 '<?= $pre_cd_ary[$DataAry["OrderPreCode"]] ?>',  '日本'  ]);

  <?php foreach($CartAry as $key => $value) { ?>
  _gaq.push(['_addItem',
 '<?= $OrderNo ?>', 
 '<?= $value['ProductId'] ?>', 
 '<?= $value['ProductName'] ?>', 
 '', 
 '<?= $value['Price2'] ?>', 
 '<?= $value['ReceiptNum'] ?>'
 ]);  <?php } ?>
  _gaq.push(['_trackTrans']); //submits transaction to the Analytics servers  (function() { var ga = document.createElement('script'); ga.type = 'text/javascript'; ga.async = true; ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js'; var s = document.getElementsByTagName('script')[0]; s.parentNode.insertBefore(ga, s); })();
 </script>

んで、上記のタグを埋め込んだらプロパティの設定画面上で
「はい。eコマースサイトです」にチェックを入れるのをお忘れなく。これ入れておかないと動きません。

カスタムレポートを作っておく

以前にも別の記事で紹介した項目になりますが、サイバーの小川さんが「よく使うカスタムレポート」を共有用に公開してくれております。ありがたい上にすごーく使いやすいので、こちらも初期の段階から自分のアカウントに反映しておきましょう。

>>プロジェクトの成功に求められるWeb解析のスピード化
※ページの真ん中あたりにあります。Analyticsログイン状態でクリックすると同期が勝手にスタートします。

リリースなんてただの通過点だから

さて、これでようやくWeb解析前のスタート準備が完了ってとこですね。

解析系って、どうしても「リリースした後」の話になるので制作会社の中には触れたくないみたいな方がいらっしゃいます。

でも丹精込めてコンテンツ作りこんできたサイトを「リリースして終わり!」じゃあつまんなくないですか?

PDCAサイクル上手いこと回して、売上があがる人気サイトをクライアントや依頼者と一緒に作っていったほうが何倍も嬉しいし、面白いです。

運用期間が数日しか無いサイトでも、
その数日間のユーザーの流れが自分の意図したものの通りだったのか?
このやり方が合っていたのか合っていなかったのか?
Googleさんが全部教えてくれます。ちゃんと設定してればね。

上記に書いた内容はチェックリストと言いながらチェックするのが面倒臭くなるほど長ったらしいですが、面倒だからやらない。と言わずに、ぜひトライしてみてください。

不思議なもんで、ただタグ入れただけだと愛着も何も沸かなくて「数ヶ月に1回しかAnalyticsの管理画面見てないやー」なんて人でも、いつのまにか毎日見てしまうようになります。

そうなったらなんとなく面倒そうでちょっと怖いイメージのあるPDCAサイクルを回すことなんて、もう全然ラクショーですよ。

さて、結局ものすごく長くなりましたが、とりあえずこんな所でしょうか?

何か忘れているような気がしてなりませんが、多分何か忘れていると思うので、気づいた方はコメントなどでツッコんでいただけると幸いです。頑張って直します。