GoogleのAdam Lasinkとのインタビュー – 前編

Google Adam Lasnik グーグル アダム・ラズニックAdam Lasnik(アダム・ラズニック)氏は、Googleの社員でEvangelist(エバンジェリスト)の肩書きを持ち、Googleとウェブマスターの良好な関係作りに従事しています。

公共の場に登場することも多く、先日インタビューを受け、そのときのやりとりが公開されました。
Adam Lasnik Discusses WebSpam with Eric Enge

インタビューの項目は、大まかに分けて7つ。
ウェブマスターにとっては、とても貴重な情報ばかりです。

  1. ヒットカウンターの隠しリンク
  2. アンカーテキスト
  3. ドメイン名に含まれるキーワード
  4. 1ページ内のリンク数
  5. URLの正規化問題
  6. FLASHの最適化
  7. 予定しているウェブマスターへのサポート

今日は、4つ目までを解説します。
※原文が長いので、ポイントだけ説明します。

●ヒットカウンターの隠しリンク

ヒットカウンターというのは、アクセスカウンターのことです。
よく、「あなたは○人目の訪問者です」という表示がありますよね。
ヒットカウンターを無料で提供しているサービスがあって、実はこのカウンターのソースには、ひっそりと隠しリンクが忍び込ませてある場合がほとんどなのです。
見えないリンクでGoogleトップ表示

この隠しリンクに対して、Adam Lasnik氏は次のように述べました。

this is not a practice that we condone or support. And, when we are aware of it, we will take action against the site that is establishing these counters and distributing them.

We use all the means we have available, algorithmic and manual, to detect, and to make appropriate adjustments based upon this tactic.

不正な隠しリンクを容認することはできず、アルゴリズムと人の手による検知で、発見次第なんらかの処置を下すということです。

有料リンク同様に、Googleへのスパムレポートを促しています。
今は有効なテクニックでも、ガイドラインに違反したSEOは必ず効果をなくすと断言しています。

●アンカーテキスト

アンカーテキストは、SEOにとってもユーザーにとっても、リンク先のページが何について書かれているかを示すのに重要な役割を持っています。

しかし使い方には注意が必要です。

doesn’t look or seem natural, that’s going to certainly raise a red flag for us.

But if we see a whole ton of links, with very similar or identical anchor text, and that those account for the majority of links to a particular page or resource, that’s going to fail the smell test, and that’s going to raise red flags; and we would reserve the right then to not count most or even all of those links.

まったく同じアンカーテキストでリンクを張ることは不自然で、レッドフラッグがたてられます。
そんなリンクは、評価の対象から外すこともありえます。

面白いたとえ話で説明していて、
バーで飲んでいるときにある人がやってきて
「“ミンティー ミント ガム”を試してみな。気分爽快スッキリするぜ」と言いました。

じゃ、飲んでみようかと思ったら
また別の男がやってきて、「“ミンティー ミント ガム”を試してみな。気分爽快スッキリするぜ」と言いました。

するとまた別の男に、「“ミンティー ミント ガム”を試してみな。気分爽快スッキリするぜ」と言われました。

これが繰り返されたとしたら、怪しいですよね。(笑)

アンカーテキストも同じです。
同じテキストでリンクを大量に張られたら、それは不自然です。

このブログでも過去に取り上げています。
アンカーテキストは混在させて使う

●ドメイン名に含まれるキーワード

ドメイン名にターゲットのキーワードを含めると、SEOに効果的だという説があります。

しかし、Adam Lasnik氏は次のようにコメントしています。

I would say that while a domain name can be a factor in some ways how we view sites, how we view links; I would really say that it is relatively a minimal factor.

“ドメイン名が、私たち(Google)がサイトを評価するときに何らかの要因になっているとしても、それは比較的微々たるものだろう。”

一部しか引用していませんが、全文を読むかぎりではドメイン名はほとんど関係ないように受け取れます。

こちらも、以前に解説したとおりです。
キーワードをURLに入れるのはSEOに効果あり?なし?

●1ページ内のリンク数

1ページ内のリンクの数は、100個以内に収めなければならず、100を超えるとペナルティになると、まことしやかにささやかれています。

これも間違った定説です。

100個以内というのは、Googlebot(グーグルのクローラ)の技術的な問題とユーザビリティの問題です。

Googlebotは、以前はページの最初の100kバイトくらいまでしかデータを読み取れませんでした。
なので、リンクがありすぎでもすべてを認識する余裕がなかったんですね。
今は、技術力の向上でこういった制限はなくなっています。

また、1ページに200も300もリンクが貼られていたら、ユーザーにとっては非常に見づらく、場合によっては数の多さに圧倒されてしまうでしょう。

ユーザーに親切にするためには、リンクの数を抑えた方がいいのです。
数が多い場合には、アルファベット順(日本語だったら五十音順)に、リストアップすると分かりやすいですね。

1ページのリンク数についても、過去に触れています。
Google,Yahoo!,MSNに質問してみました
※記事の中ほど

またPageRankの観点からも、多すぎるリンクは問題になります。

a PageRank perspective, having a ton of links means that each one of those links is going to pass less juice.

Link juice(リンクジュース)、ページが持つ力は、リンク先のページに分配されますが、たくさんありすぎると分け前が減ってきます。

訪問者に対して特定のリンク先を強調したいなら、そのリンク先ページについてだけ詳しく書けば、アピールすることができます。

Googleに対して特定のリンク先を強調したいなら、nofollow属性を利用します。
「nofollow」でGoogle PageRankをコントロール
nofollowの正しい使い方(1)
nofollowの正しい使い方(2)

残りの3つは、明日の投稿で。
Stay tuned! ;-)